汗から肌や身体の状態を可視化!PITTANの分析システム「Pitagoras」【IVS2026】
Pitagorasは、専用のパッチを使って皮膚表面からごく微量の汗を採取し、汗に含まれるアミノ酸を分析するシステムだ。

汗には、アミノ酸をはじめとするさまざまな成分が含まれている。PITTANでは、汗中のアミノ酸をバイオマーカーとして活用し、肌や身体のコンディションに関する傾向を可視化している。
分析時には、専用パッチを精製水で湿らせ、皮膚に約3分間貼り付ける。採取後は、パッチから成分を抽出するための専用パッドと、試薬が塗布されたフィルムを分析機器にセットする。


機器による分析時間は約10分。パッチによる採取から結果の確認までを含めると、全体で約15分だ。
担当者によると、約10分という分析時間は、化学反応の精度と店舗利用者の待ち時間を考慮した設計だという。
「時間を長くすれば反応はより分かりやすくなりますが、お客様の利便性を考えると、10分間がギリギリの時間です」
店舗でのカウンセリングや施術の前後にも組み込みやすいよう、分析精度と利用者の利便性のバランスを取っている。
同システムでは、5種類のアミノ酸を指標として分析し、その結果を画面上に表示する。


画面では、皮脂量や消化吸収に関するランクなど、複数の項目を確認できる。これらは医療上の診断結果ではなく、店舗でのカウンセリングや日常的なケアの提案に活用するための指標として提示される。
■一度きりの検査ではなく、身近な店舗で継続的に測定
担当者は、DNA検査や腸内フローラ検査、尿検査、唾液検査などの既存サービスについて、利用者が自宅で検体を採取して郵送する必要があるものも多く、手間や費用の面から継続利用につながりにくい場合があると説明した。
一度結果を確認しただけで満足し、2回目以降は利用しないケースもあるという。
PITTANでは、分析サービスを健康意識が高い人だけのものにせず、美容や身体のコンディショニングなど、利用者が変化を実感しやすい分野から広げようとしている。
そこで主な販売先として想定しているのが、エステティックサロン、美容室、フィットネスクラブ、整体院などだ。一般消費者に分析機器を直接販売するのではなく、店舗がカウンセリングや施術提案に活用するBtoBモデルを中心に展開している。
美容分野では、肌表面へのスキンケアだけでなく、食生活や睡眠、運動といった生活習慣を含めて考える「トータルケア」の重要性が高まっている。
担当者は、分析データをもとに利用者へ適切なアドバイスを行うことで、店舗への信頼や継続利用につなげることが重要だと説明する。
■2026年4月に本格展開。取材時点で80台を出荷
Pitagorasは、2026年2月に予約販売を開始し、同年4月から理美容・エステ業界を中心に本格展開している。
2026年7月2日の取材時点で、担当者によると80台を出荷しており、2026年中に500台以上の導入を目指しているという。
販売にあたっては、理美容・エステ業界に販売網を持つ企業を通じて店舗へ提供している。機器を販売するだけでなく、店舗でのカウンセリングやサービスの提供につなげる仕組みを構築している点も特徴だ。
■回数券の契約率が約20%から約40%に上昇した店舗も
担当者によると、現在、Pitagorasの主な導入先となっているのはエステティックサロンだ。
エステティックサロンでは、初回の体験価格を比較的低く設定し、その後、回数券や継続コースを契約してもらうビジネスモデルが一般的だ。
担当者の説明では、初回体験客が回数券などを契約する割合は20%程度が一つの目安とされている。しかし、Pitagorasを活用して利用者の状態を数値で示した一部の導入店舗では、契約率が約40%まで上昇した例があるという。
利用者に分析結果を提示し、その内容をもとに施術や生活習慣について説明することで、提案に対する納得感を高める効果が期待できる。
契約率や継続率の向上につながれば、店舗にとっては分析機器の導入効果を実感しやすくなる。PITTANは、分析技術だけでなく、導入店舗の売上向上や顧客との関係づくりにもつながるサービスとして展開している。
■変化を確認する目安は4~8週間
測定頻度について、担当者は、身体や生活習慣の変化が分析結果に表れるまでの目安を4~8週間程度としていると説明した。
実際の店舗では、利用者に対して2~3カ月に1回程度の頻度で測定を案内するケースが多いという。
一定の間隔を空けて繰り返し分析することで、前回からの変化を確認できる。食生活や睡眠、運動、店舗での施術などを見直すきっかけとしても活用できるため、再来店の促進や継続的なカウンセリングとも組み合わせやすい。
■PITTANが出展した「IVS Startup Market」とは
IVS2026は、みやこめっせとロームシアター京都を中心とする「IVS」エリアと、ホテルオークラ京都に設けられた完全招待制の「IVS CORE」エリアの2つを軸に開催された。
IVSエリアは、スタートアップ関係者や事業会社、投資家、起業志望者、支援者、行政、研究機関、学生など、次世代の事業や産業を生み出そうとする幅広い参加者に開かれたエリアだ。
一方、IVS COREは、スタートアップ経営者や投資家、大企業の経営幹部、政府・政策関係者などの意思決定層を対象とした招待制エリアで、2026年7月1日と2日の2日間にわたって開催された。
PITTANが出展したのは、7月2日にみやこめっせで開催された「IVS Startup Market」のブース「SC39」だ。

IVS Startup Marketは、審査や推薦を経たスタートアップが参加する展示・交流スペースだ。会場では、さまざまな企業が自社の製品やサービスを紹介し、来場者との交流を深めた。
PITTANのブースでは、Pitagorasの分析機器や専用パッチ、試薬フィルムなどが展示され、担当者が来場者に実際の分析手順や画面の見方を説明していた。
汗中のアミノ酸を分析し、その結果を店舗でのカウンセリングや日常の行動変容につなげるPITTANの取り組みは、研究開発によって生まれた技術を身近な場所へ届ける、新たな可能性を示していた。
■株式会社PITTAN
■IVS2026 公式サイト
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