旧前田邸の保存を求める市民らのデモ=29日、鎌倉市内

 鎌倉文学館(鎌倉市長谷)の改修計画の一環で市が敷地内にある旧加賀藩主・前田家邸宅の洋館を取り壊す計画を巡り、洋館解体に反対する市民らが29日、市内でデモ行進をした。前田家は洋館の利活用を求めて市に寄付したが、市は洋館を15年以上放置して荒廃させた。年度内にも解体工事が始まる見通しの中で「最後のデモ」と銘打ち、市民らは「市は市民の声を聞いてくれない。鎌倉の文化を大切にしてほしい」と訴えた。

 文学館一帯は前田家が明治時代に別荘地として購入し、文学館本館は佐藤栄作元首相も一時、別荘として使った。敷地の一角に立つ洋館は1971年に建てられ、鉄筋コンクリート造2階建て(延べ床面積264平方メートル)の南欧風のたたずまいが特徴。文学館開館後も前田家が暮らしていたが、2010年に洋館も市に寄贈された。