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アメリカ・トランプ政権から制裁対象に指定され、「解体」の圧力に晒されるICC=国際刑事裁判所。日本人として初めて所長に就任し、自らも制裁対象となっている赤根智子所長がBS-TBS「報道1930」の単独取材に応じました。

【写真を見る】「次は私かなと」トランプ政権の制裁対象に… ICC赤根智子所長が語った本音 すでにクレカは使えず 「仕事には全く支障ない」【独占インタビュー 第1回】

松原耕二キャスター編集長の取材を通して、既に表れているアメリカ側の“制裁”の影響が現れてきました。
(全3回連載の1回目)

「動揺がなかったと言えばウソ」

松原耕二(以下、松原):制裁の対象になったことについて率直にどんな思いでしたか?

赤根智子(以下、赤根):7月13日に(アメリカの)ルビオ国務長官が「ICCを解体する」と発表した時に、もちろん締約国を一か国ずつ剥がしていくというようなことと共に、制裁を強化するということもその中に含まれていましたので、そのことから「次は私かな」という気持ちはありました。ですから、その準備というか、心構えというのはできていました。ただ、やはり「来たのか」というところにおいては、全く動揺がなかったと言えば嘘になりますね。

松原:ただ、赤根さん自身が、例えばプーチン大統領の裁判に関わったわけでも、逮捕状に関わったわけでもないし、つまり、なぜ赤根さんが対象になったのか。象徴的なものなんでしょうかアメリカにとって。そこをどう捉えていらっしゃいますか?

赤根:そうですね。そこはちょっと私には分かりかねますが、私に対して制裁をかけることでICCの動きを止めようと、ある意味外部から圧力をかけて止めようとする試みのひとつというふうに考えています。

クレジットカードは使えない」現れ始めた“制裁”

松原:動きを止めようという意味でいうと、実害として今、例えば以前インタビューさせていただいた時に「制裁を受けると、カードとか、あるいはパソコンとか、いろんなものが使えなくなるんじゃないか」とおっしゃっていました。現状どうですか?

赤根:まだ時期的に制裁発動から時間が経っていないので、まだ個人的な影響が起きるかは分からないところもありますが、少なくともクレジットカードは使えなくなっています。

松原:もうすでに使えなくなってる?

赤根:はい。

松原:それはアメリカのカードという意味ですか。

赤根:ですね。アメリカの会社のカードですね。

松原:そうですか。銀行との取引、あるいはパソコンの、例えばソフト含めてどうですか?ネット環境含め。

赤根:ICCの仕事で使うネット環境というか、ITに関しては、この前にお話しした時と違って、マイクロソフトからヨーロッパの会社に移っています。ICC全体が。いっぺんに移ったんですけれども、それで仕事をする環境としては特に問題は生じていないです。個人的なアプリとかが、これから影響されてくるかもしれないというところではあります。

松原:つまり、個人的にというのは、赤根さん自身の例えばGoogleやAmazonというのが使えなくなると。アメリカのものはという意味ですか。

赤根:そういうものが使えなくなる可能性はありますね。

松原:カードはすでに使えないと。どうされているんですか?

赤根:オランダでは銀行カードというのは使えるんですよ、国内での。ですから、そこ自体は問題はないんです。ただ、日本に帰った時にそれが使えるわけではないので、これから影響が出てくる可能性はあります。

松原:やはりアメリカだと、アメリカと取引している第三国のものも使えなくなるんじゃないかという懸念も前におっしゃっていました。その点の懸念はどうですか?

赤根:二次的な制裁の対象になることを恐れて、「オーバーコンプライアンス」をする民間企業っていうのは出てくる可能性はあります。

松原:そこはまだちょっとどこまで個人的に実害が及ぶのか、見えてこないということですか。

赤根:まだ時間的にあまり経ってないってこともあります。一般的に言うと、今まで制裁対象になった裁判官などは、すでにそういう影響が出ているというふうには聞いています。

「仕事には全く支障がない」

松原:ICCの判事、確か18人のうち赤根さんも含めて9人の方々が制裁対象になっている。業務は大丈夫ですか?

赤根:そこの辺りを皆さんとても心配していただいて、これにお答えしたいんですけれども、今申し上げた通り、ITシステムの移動だとか、オランダ政府の後押しとかがありまして、いわゆるその制裁の影響を最小化する実務的な施策を行っていただいていまして、今のところ仕事には全く支障がないと。今も第一審裁判が三つ同時に進行していて、11月30日に第一回公判があるものも含めて、それは(フィリピンの)ドゥテルテ元大統領の事件なんですけども、今のところ支障はありません。