最強助っ人の証し? T・ローズ超え巨人最多記録へあと1 ダルベック「野球の一部」
◆JERAセ・リーグ ヤクルト6―8巨人(25日・神宮)
鮮烈な先制劇だった。ダルベックは感触をかみしめゆっくりと走り出した。「みんなでつないでくれたチャンスだったので、なんとかランナーをかえせるようにと思っていました」。12日の阪神戦(東京D)以来、10試合ぶりの本塁打は21号3ラン。乱打戦の号砲を鳴らした。
初回、浦田が四球で出塁。2番・佐々木がフェンス直撃の左中間二塁打を放ち、無死二、三塁の第1打席。先発右腕・吉村の初球、内角のスプリットを捉えると、打球は大きな放物線を描いて左翼スタンドに消えた。8球で3点を奪い、カード初戦、初回で好スタートを切った。
役割はどこだって同じだ。試合前まで105試合に4番で出場していたが、6月19日の中日戦(東京D)以来、2か月ぶり2度目の3番で出場。しかもポジションは出場35試合連続で一塁だったが、7月9日の阪神戦(東京D)以来の三塁に入った。それでも「いつも通り普段と変わらない心持ちで」と何事もなく、仕事をこなした。
世間は夏休み。自身は少年時代によくメジャーリーグの試合を見に行っていた。「(マリナーズに所属していた長距離砲の)リッチー・セクソンがイニング間にスタンドに投げるボールを4つ捕ったことがあるよ」と思い出を明かす。今では多くのファンの前でプレーする立場になった助っ人は、本拠地では「自分のタオルを持っている人を狙ってボールを投げているよ」とファンサービス。カタカナは読めないがタオルに記されている「B・ダルベック」の「B」で判別可能だ。この日はタオルを掲げるG党が陣取る左翼席にアーチを届けた。
この日2三振でシーズン146三振。球団外国人記録の04年にT・ローズが記録したシーズン147三振にあと1となったが、それも強打者の証し。10戦ぶりの一発に「本塁打を期待されているのはわかっているんですけど、(三振は)やっぱり野球の一部なので。毎日打つことはできないですし、本当にシーズンの一部だと解釈しています」と助っ人。エース・山崎が右肩のコンディション不良で離脱するなど、残り29戦で試練に見舞われたチームを勇気づけるアーチとなった。(臼井 恭香)
【清水隆行Point】 ダルベックに不振脱出の兆しが見えた。初回無死二、三塁で先制3ラン。甘く入った初球のスプリットを左翼席へ運んだ。吉村の失投ではあるが、調子が悪いと甘くても捉えきれないことも少なくない。捉えるべき球をワンスイングで捉えたのは見事だ。普段はボールをじっくり見て選んでいくというタイプ。初球から積極的に仕掛けるのは珍しいと思ったが、状況的には外野に飛ばしたい場面で、飛ばせる確率が高いボールに反応した。これで一気に復調…というほど打撃は簡単ではないが、一時に比べれば変わりつつある。(野球評論家・清水 隆行)
