記事のポイント
アーバンステムズは、話題性よりも顧客層やギフト需要との相性がコラボの成果を左右すると指摘した。
H&Mやチョバニは、ブランドのメッセージや価値観に合う提携を通じ、文化的な存在感と認知度を高めている。
テレタイズは、売上規模だけでなく、新たな企業との接点や単独では届かない層へのリーチも提携の価値と捉えている。


マーケターはしばしば、インフルエンサーやブランドとのコラボレーションを、最小限の労力で新たなオーディエンスにリーチし、バイラルな瞬間を生み出す効果的な手法として挙げる。

8月10日〜12日にボストンで開催されたイーテール・ボストン(eTail Boston)では、ブランドの幹部たちがパートナーシップの効果について議論し、デモグラフィック(属性)のミスマッチといった課題や、文化的な関連性を最大化する方法について取り上げた。中小規模のブランドは、コラボレーション戦略を磨きつつある。

売上に直結しないコラボの見極め



オンライン花配達のアーバンステムズ(UrbanStems)でCEOを務めるミーナクシ・ララ氏は、注目度の高いコラボレーションのすべてが売上につながるわけではないと説明した。

彼女は、2024年に韓国スキンケアブランドのラネージュ(Laneige)と組んで試した、タイムズスクエアのセフォラ(Sephora)のポップアップにブーケのデザインバーを設けたパートナーシップについて語った。

「年齢層のミスマッチがあった。我々の顧客層は35〜55歳だが、ラネージュの買い物客はもっと若い」とララ氏は指摘する。

彼女は、同ブランドのセレブアンバサダーにシドニー・スウィーニーを起用していることを、より若いオーディエンスに焦点を当てている表れとして挙げた。「あのような急上昇はみられなかった」と彼女は付け加えた。

逆に、アーバンステムズがキャメロン・ディアスのワインブランド、アヴァリン(Avaline)と組んだコラボレーションはよりよい成果を上げた。

「我々にとって重要なのは、消費者が非常にギフトに適していると感じるカテゴリーで組むことだ」とララ氏は説明した。

H&Mが問うブランドメッセージ



こうした方向性の合致したパートナーシップは、大手小売業者にとっても重要だ。H&Mアメリカスでブランドパブリシティ・タレントリレーションズの責任者を務めるノア・ゴンザレス氏は、コラボレーションは文化的な関連性を保つうえで不可欠な存在になっていると述べた。

H&Mのデザイナーとのカプセルコレクションは、2004年のカール・ラガーフェルドを皮切りに、しばしば即完売する。この戦略は2026年、ステラ・マッカートニーのコレクションで再び展開された。

デザイナーやセレブリティと組む際、H&Mは「我々は何を伝えようとしているのか。メッセージは何か」と問いかける。

このアプローチには、チャーリーXCXやアイス・スパイスといった話題のセレブリティとのコラボレーションが含まれることもある。ゴンザレス氏は、こうした関係から予想外のマーケティング上のメリットが生まれると指摘した。

彼が例に挙げたのは、ブラジル人ミュージシャンのアニッタが、サッカー・ワールドカップ北中米大会の開会式用のカスタムルックを求めてH&Mに声をかけたケースで、これが無償で「数百万ドル(数億円)規模のアーンドメディア」を生み出したという。

チョバニのサッカー連盟スポンサー



ヨーグルトブランドのチョバニ(Chobani)でコマーシャルグロース担当シニアバイスプレジデントを務めるタリア・モンロー氏は、同社による複数年にわたるアメリカ合衆国サッカー連盟(U.S. Soccer)のスポンサーシップについて語った。

このスポンサーシップは、2026年のサッカー・ワールドカップ北中米大会期間中に認知度を高めた。公式ニュートリションパートナーとして、チョバニは共同ブランドのパッケージやチームのコンテンツを用いた「Feed the Dream」キャンペーンを立ち上げた。同社は500万ドル(約7億5000万円)を投じ、500のユースサッカークラブを支援した。

「これが心に響いた理由のひとつは、必ずしもアスリートの知名度によるものではない」とモンロー氏は語る。

「それよりも、我々のブランドを志を同じくする人々に届け、その評判を広げてもらうことにある」。

テレタイズとマジックの相乗効果



ヘアアクセサリーブランドのテレタイズ(Teleties)でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるアリッサ・ブラウン氏は、パートナーシップが価値を生み出すために必ずしも大きな売上を必要とするわけではないと指摘した。

テレタイズのディズニー(Disney)とのパートナーシップは、商業的に大きな成功を収めた。しかし、同社にとってもっとも効果的だったコラボレーションは、2023年に始まったオーランド・マジック(Orlando Magic)とのものだ。

マジックとのパートナーシップには、テーマに沿った商品、試合当日の会場でのプレゼンス、ファンへのプレゼント企画などが含まれる。これらは売れ筋商品というわけではないが、ブラウン氏はこう説明する。「小規模事業者として、マジックと組まなければおそらくたどり着けなかったであろう機会を開いてくれた」。

これらのコレクションは、ゲータレード(Gatorade)やアドベントヘルス病院(AdventHealth)、そのほかのマジックのパートナー企業とのさらなる提携につながり、小規模な事業者が単独で通常達成できる範囲を超えて、テレタイズのリーチを広げた。

[原文:How H&M, Chobani, UrbanStems and Teleties are refining their partnership strategies]

Gabriela Barkho(翻訳、編集:藏西隆介)