”熊本地震の真犯人”国が脅威と認めた「Sランク活断層」危険度マップを公開する

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よみがえった「内陸直下型地震」の恐怖

10年前、最大震度7という激震に見舞われた熊本の地で、再び大地震が起きるなど誰が予想できただろうか。

7月28日にマグニチュード7.1、最大震度7を観測した令和8年熊本地震は、いつどこで起きるかわからない「内陸直下型地震」の恐怖を改めて私たちの心に刻みつけた。

「私は自宅の一階がすべて潰れて生き埋めになりました。消防隊の方が、チェーンソーで木材を切り続けてくれたおかげで脱出できたのです」

熊本県八代市に置かれた避難所で、被災した60代女性は本誌記者に語った。

「身体に障害を抱える主人も生き埋めでした。当初は行方が分からなかったのですが、指で家財を叩き続けたことで気づいてもらい、救助されました。大きく揺れているときは『子どもが家にいないときで良かった。今までありがとう』と死を覚悟したものです」

震災直後の避難所では、「二次災害」ともいえる状況が広がっていた。ある場所では、施設内のトイレが詰まって一時的に使えなくなった。避難者たちは猛暑の中、水分摂取を極力控え、尿意に耐えきれない人はバスタオルを巻いて、近くの公園の茂みで用を足すこともあった。

震源地にほど近い八代市内では、いたるところで自宅や店舗が倒壊し、道路には亀裂やひびが入り、点灯しない信号機も数多い。交差点ではドライバー同士が顔を見合わせて、恐る恐る進んでいた。

熊本周辺に密集する巨大な活断層

「なんか覗きよったでしょ?」

最大震度7を観測した氷川町で倒壊した家屋を見て回っていたとき、地元住人の男性から声をかけられた。「用事でもあったんかね」と矢継ぎ早に尋ねられたため、慌てて身分を明かすと、安堵した表情を浮かべながらこう語った。

「ものすごく泥棒を警戒してるもんで。そういうのが結構ウロウロしとるんです。10年前の震災でも空き巣被害が相次いだんです」

直接的な地震の被害のみならず、被災者たちが極限の疲労のなかで神経をすり減らしていることが伝わった。このように、大震災は何の前触れもなく日常を奪っていく。

京都大学防災研究所教授の西村卓也氏が、今回の熊本地震について解説する。

「プレートが動いて発生する海溝型地震と比べて、今回の熊本で起きたような断層型の地震に関しては、いつ起きるのか予測がつきにくいのです。ただ、熊本周辺には今回動いた日奈久断層帯をはじめとする巨大な活断層が存在しています。そのため、実は従来から非常に危険度の高いエリアだとは認識されていました」

国が警鐘を鳴らす「Sランク活断層」どこに

政府の地震調査研究推進本部(地震本部)が今年1月に公表したデータは、こうした懸念を裏付けている。

この資料では全国の活断層が地震発生確率順にランク分けされており、熊本地震を引き起こした断層も一番上の「Sランク」に分類されている。これを参考に、編集部で危険度マップを作成した。これを見ると、内陸直下型地震が起きてもおかしくない断層が、全国いたるところに存在することがわかる。

今回の熊本地震の原因は、10年前の地震で大きく動いた日奈久断層帯の「割れ残り(長い断層帯の中で過去の地震で破壊されずに残った部分)」と推測されている。

実際に現地調査に入った東北大学災害科学国際研究所教授の遠田晋次氏は、「割れ残りによる地震発生リスクは、熊本だけではなく全国各地に潜んでいる」と警告を強める。

「日奈久断層帯だけでなく、'05年の福岡県西方沖地震を引き起こした『警固断層帯』の一部や、阪神・淡路大震災を起こした『六甲・淡路島断層帯』など、日本全国の至る所に割れ残った部分が息を潜めています。それらがいつ動き出すかは誰にも分かりません。どこかの断層が動けば、ドミノ倒しのように地震が起きる状況も十分に考えられます」

【後編記事】『熊本に続いて東京まで大地震の予兆が…国と地震専門家が警鐘「いま一番キケンな活断層はここです」』につづく。

週刊現代」2026年8月31日号より

【つづきを読む】熊本に続いて東京まで大地震の予兆が…国と地震専門家が警鐘「いま一番キケンな活断層はここです」