千葉豪雨、水没車両は1万台規模か 一変した日常「まだ10年乗りたかった」愛車との別れに悲痛な声【news LOG】
先週、記録的な豪雨に見舞われた千葉県内では多くの車が水没し、熊谷知事は被災車両が1万台に及ぶ可能性があるとの見方を示しています。豪雨で愛車を失った人たちを取材すると、一変した日常が見えてきました。
■「手放すのはつらい...」千葉市に全国から集められたJAFの特別支援隊

22日、千葉市の住宅街には、全国から集められたJAFの特別支援隊の姿がありました。
『news LOG』が取材したのは、レッカーを依頼していた中村さんです。
中村さんは、自宅前にとめていた3台が水につかってしまったといいます。中でも、特にお気に入りだという黒い車がありました。
中村さん
「本当にすごい気に入っていた車なので、ダメになっちゃったらショックは大きいんですけど」

思い入れがあるのには理由がありました。
中村さん
「母を連れて旅行に行きたいってことで、大きめな車を買っていたので。主人と、もうこの車は乗り潰すつもりで乗ろうねって言っていて、そういう矢先だったので、手放すのはつらい部分があるんですけど…」

もう一度乗る望みを残していましたが、レッカーで移動される車からは水が流れ出てきました。
中村さん
「あんなに(水)入ってるんだ、マフラーから出てきているのかな。ダメですね マフラーの中に入っているのなら」
そして、被災した車との別れの時が訪れました。
中村さん
「やっぱり、ああやって行っちゃうと寂しいものが…」
■千葉市役所の駐車場に放置車両 神奈川から来た女性「立ち直れない」

22日、取材班が向かった千葉市役所の駐車場には、端から端までずらっと車が並んでいました。そこには、豪雨の影響で市内の道路などに放置されていた車両が集められていました。持ち主への引き渡しを早く進めるため、土日も対応していました。
取材で出会ったのは、神奈川県から2時間半かけて来たという40代の女性です。
神奈川から車を引き取りに来た女性(40代)
「レッカーの順番が来たと朝連絡いただいて、神奈川県から来たんですけど、あるはずのところに車がなくて」
水没した場所には車が見当たらず、市役所などに連絡をして、ようやくこの場所にあることが分かったといいます。1週間ぶりの再会を果たしましたが、車は“廃車”になってしまうことになりました。

神奈川から車を引き取りに来た女性(40代)
「本当に好きな車だったから、この1週間ロスっていうか立ち直れないというか、やっぱりすごい悲しいです」
「買い物とか子供の送迎、今まで当たり前のように生活していたことが全部できなくなってしまったので。まだあと10年くらい乗りたかったです」
■購入2年未満の車が水没... 78歳男性「修理工場いっぱいで先がわからない」

22日の取材では、78歳の男性にも話を聞きました。
――結構新しく見えますけど。
男性(78)
「買ったばっかり、2年たっていない。一目ぼれだね」
車との再会は、被災したあの日以来だといいます。車内にはまだ水のにおいが残っていました。
男性(78)
「だってまだ水あるよ」
――あ、本当だ。まだ抜けきっていないですね。
男性(78)
「多分ダメなんだろうねもう…」

この日は修理工場までのレッカーを依頼していましたが、電話を切った男性は「混んでいて遅れるようです」と話しました。レッカー車が来るまで日陰で待つことになりました。男性は買い物や畑の様子を見に行く時に車に乗っていたといいます。
男性(78)
「畑は10日くらい行っていない」
――ちなみに何を育てていらっしゃるんですか?
男性(78)
「きゅうり、なすが終わって、今はトマト。でも大雨でやられちゃってるかもしれない、多分ダメでしょう」

その後、レッカー車の到着がさらに遅れるという連絡が入りました。
男性(78)
「午後4時ごろになっちゃうんだって。(市役所の庁舎の)中で待っている」
――午後3時の予定だったけど?
男性(78)
「午後4時。忙しいみたい。30分ここにいるのツラいよ」
市役所の庁舎内で待つことに。最終的にレッカー車は到着しましたが…。
――工場に持って行けることになった?
男性(78)
「工場いっぱいでダメだった、自宅の駐車場に」
――工場にはどれくらい先になったら…
男性(78)
「まったく先がわからない」
結局、修理工場へは移動できず、自宅で保管することになりました。多くの車が被災した豪雨。その影響はしばらく続きそうです。
(8月22日放送『news LOG』より)