【夏の甲子園】「意外な人気試合」とは……? 視聴者がクギづけになった「名試合」ベスト20

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心をつかんだ試合

3対3で迎えたタイブレークの延長10回表。慶應(神奈川)は、1死満塁のチャンスにセカンドゴロで1点を勝ち越し。さらにヒットで2点を加え、白熱した試合に終止符を打った。多くの高校野球ファンを魅了した、慶應対広陵(広島)の一戦(’23年8月16日)である--。

今夏も熱戦が続く甲子園。下に掲載したのは、テレビをつけていれば数値が上がる視聴率でなく、視聴者がどれだけテレビ画面にクギづけとなったかの「注視度」で各試合を調査したランキングだ(詳しい「測定法」は記事末尾を参照)。

データ分析会社『REVISIO』社(以下、R社)は、’21年から5年間の大会を独自計測。注目された真の名試合はどんなゲームか。R社の広報/マーケティング担当の安武早織氏が解説する。

「視聴者が注視する試合には、いくつかの特徴があります。思わず画面に見入ってしまう、展開の読めない逆転が続くこと。延長戦に入り劇的な結末が予想されること。話題のチームであることなどです。

冒頭の試合は107年ぶりの優勝を目指す名門・慶應と、同年春のセンバツで準決勝まで進んだ強豪・広陵の対決でした。さらに序盤優勢だった慶應に、広陵が終盤に追いつく展開。延長戦タイブレークとなれば、視聴者がテレビ画面から目を離せなくなるのも当然でしょう」

ランキングを具体的にみていこう。1位は冒頭の慶應対広陵。2位も慶應の試合で、’23年8月23日に行われた仙台育英(宮城)との決勝だった。

「107年ぶりの優勝がかかった試合で、戦前から慶應のOBらがSNSなどに多くのコメントを寄せ注目されていました。試合も、『美白王子』と呼ばれ話題となった慶應の1番打者・丸田湊斗選手が先頭打者ホームランを放つ驚きの幕開け。序盤は一進一退で、慶應OBならずとも目が離せない試合だったんです」(安武氏)

校歌が韓国語

3位の智辯和歌山対國學院栃木(’22年8月13日)の試合も二転三転した。

「前年の覇者で優勝候補の一角にあげられた智辯和歌山に、國學院栃木が挑みました。試合は國學院栃木が先制し、智辯和歌山が追いつき逆転するという流れ。1点ビハインドの6回裏に、國學院栃木が4連打で再逆転。智辯和歌山の終盤の猛攻をしのぎ抜き辛勝したんです。

4位は京都国際対一関学院(岩手)の試合(’22年8月6日)。延長11回裏に、一関学院がサヨナラで夏の甲子園20年ぶりの初戦突破した結末も劇的でしたが、注視度が高い要因は他にもあるかもしれません。京都国際の校歌の韓国語が話題になっていたんです。京都国際の前身は、京都韓国学園なんですよ」(同前)

意外な人気試合もある。5位の神奈川の強豪・横浜対県岐阜商(’25年8月19日)の一戦だ。R社のマーケティングチームマネージャー・三橋洸輝氏が話す。

「公立の岐阜商が注視されるのは珍しいですが、同校は『公立旋風』を巻き起こし下馬評を覆(くつがえ)して横浜を破り4強入りしたんです。生まれつき左手の障害を抱えながら、5試合中4試合でヒットを打った同校の横山温大選手も注目されました」

一方で注目校の対戦ながら注視度が高くない試合もある。三橋氏が続ける。

「序盤で大差がつくゲームですね。14位の浦和学院(埼玉)対仙台育英(’23年8月6日)は強豪同士の対決ですが、3回までに仙台育英が9得点。早々に試合が決まり、視聴者の関心が薄まったんです」

逆転、サヨナラ……。毎夏、球児たちの紡(つむ)ぐドラマにファンは心打たれる。

『FRIDAY』2026年9月4日号より