「ルラ氏VSトランプ氏」の様相呈すブラジル大統領選、中南米で親米右派政権の誕生目論み「選挙介入」…世論調査では支持率拮抗
【リオデジャネイロ=南部さやか】ブラジル大統領選(10月4日投開票)の選挙戦が16日、始まった。
左派労働者党のルラ・ダシルバ大統領(80)に対し、右派自由党のフラビオ・ボルソナロ上院議員(45)が挑む構図だ。親米右派政権の樹立を狙うトランプ米大統領はフラビオ氏への支持を鮮明にしており、選挙戦は「ルラ氏対トランプ氏」の様相を呈している。
選挙戦には13人が立候補している。調査会社クエストが14日に公表した世論調査によると、現状の支持率は通算4選を目指すルラ氏が43%、フラビオ氏が40%と拮抗(きっこう)する。3位以下を大きく引き離しており事実上の一騎打ちとなっている。
フラビオ氏は、トランプ氏と関係の深いジャイル・ボルソナロ前大統領の長男だ。トランプ氏は選挙戦を前にホワイトハウスでフラビオ氏と面会し、「賢い若者」だと称賛した。フラビオ氏も16日、リオデジャネイロ市での選挙集会で「米国と対等に話し合えるのは私だけだ」と演説。米国旗を掲げる支持者もいた。
一方で、左派のルラ氏はトランプ氏と対立してきた。トランプ政権は7月にブラジルからの輸入品に25%の関税を発動。8月には、ブラジル駐米大使のビザ(査証)を取り消したと発表しており、今後も「選挙介入」と捉えられかねない圧力を強めるとみられる。中南米の右派勢力が連携してフラビオ氏を支持する動きが出る可能性もある。
ルラ氏は16日の選挙集会で「右派が再び国を統治することを決して許さない」と演説し、右派やトランプ政権への対抗心をむき出しにした。
トランプ氏は、中南米を自国の勢力圏とみなし、各国選挙で親米右派勢力を後押ししている。実際、チリやペルー、コロンビアなどで相次いで右派政権が発足した。左派大国ブラジルが親米右派に代われば、トランプ氏への追い風となる。
