米韓演習を縮小、中国や北朝鮮への抑止力低下を懸念…日本政府「イラン対応に忙殺されていることが主因」
【ワシントン=栗山紘尚、ソウル=依田和彩】米国のトランプ大統領は16日(日本時間17日)、自身のSNSで、韓国との合同軍事演習の規模を大幅に縮小するようヘグセス国防長官に指示したと表明した。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との「良好な関係」や米国の費用負担への不満を理由に挙げた。
米韓合同軍事演習は、北朝鮮に融和的な左派、李在明(イジェミョン)政権下で縮小傾向にあるが、さらなる縮小となれば北朝鮮に対する抑止力の低下を招きかねない。
米韓両軍は17日、朝鮮半島有事を想定した定例の合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・シールド(自由の盾)」を開始した。27日までの予定で、サイバー攻撃や無人機攻撃などへの対応を確認する。韓国の通信社・ニュース1は17日午後、軍当局の話として演習が当初の計画通り行われていると伝えた。
トランプ氏は投稿で、米国が軍事演習に参加することを「快く思っていない」とした上で、演習は「多額の費用がかかり、その多くを米国が負担している」とも言及した。北朝鮮について「私が大統領である限り脅威とはならず、敬意を示してきた国に対し、不適切で敵対的なシグナルを送るものだ」とも主張した。
日本政府内では、米韓合同軍事演習が大幅に縮小されれば、中国や北朝鮮に対する抑止力が低下しかねないとの懸念が広がっている。
外務省幹部は「縮小が長期にわたれば、抑止力の観点から問題になる」との見解を示した。防衛省幹部は「イラン対応に忙殺されていることが主な要因だろう」と分析し、「中国や北朝鮮に、米国の地域への関与が減っているとの間違ったメッセージが伝わらないようにしないといけない」と語った。
