【中川安奈のFRIDAYReport】トラウデン直美が明かす「″求められる自分″との向き合い方」
寝る時間を削ってでも
中川安奈:もともとお忙しい毎日だったと思いますが、そんななかで新たなチャレンジをする秘訣はあったのでしょうか。
トラウデン直美:私の場合、人生は全部運と縁とタイミングだと思っているのでそれを逃さないようにしたいなっていつも思っているんです。そのためには日常に余白を持つことが大事だなと。
中川:できる限り休みの日をしっかり作る、みたいなことでしょうか。
トラ:そうなんですけど、忙しくて時間をまったく作れないときもあるので、そういうときは強引にでもリフレッシュできる時間を作るってことですね。私の場合はそれが馬とふれあうことです。
中川:なるほど! トラウデンさんは昨年に馬術の全国大会に出場されるほどの腕前ですもんね。指導者資格もお持ちだとか。
トラ:そうなんです。ハードな有酸素運動なので気持ちがスッキリしますし、動物の身体にふれているというだけで癒やしにもなっていて。メンタルが整うし、狭まった視野が広くなるんです。だから本当に大変な時期の例ですけど、朝4時半に起きて、馬に3時間乗りに行って、そして昼前の生放送に出る、なんてこともありました。
中川:すごい。もしかして、寝なくても大丈夫な人ですか。
トラ:本当は8時間寝たい人です(笑)。でもそれ以上に多忙で息が詰まっちゃうほうが良くないなって。そうしないと、いざチャンスが訪れたときにそれに気付けなかったりしちゃうから。新しいことにチャレンジするという意味では、中川さんもそうだったわけですよね。昨年フリーになられて。決断する怖さはありませんでしたか。
中川:ありましたけど、それ以上に環境を変えなきゃ、みたいな意識が強かったと思います。慣れや安定のほうが怖かったのかもしれません。常に伸びしろを目指して仕事していきたいというか。
トラ:すごくわかります。おっしゃるように、現状維持って停滞だと思っていて。なんなら後退ですらあるかもしれない。周りは伸びていて、自分だけが止まっているわけだから。
中川:そうなんです! でもさすがに私もトラウデンさんの年齢でその考えにまでは至っていませんでした(笑)。
世間のイメージとの狭間で
トラ:いまではバラエティ番組にもたくさん出演されて素晴らしいですよね。
中川:自分の失敗エピソードをしゃべってばかりですが……。
トラ:すごいと思います。私はそれができなかったから。
中川:本当に難しくって。キャスティングしていただいたからには自分がなにを求められているか一生懸命考えるんですけど、それでちょっとリップサービスというか、頑張ってバラエティ的な発言をすると、その部分だけがネットニュースになって拡散して。それだけを見ている人からしたら、私は目立ちたがりのキラキラ系女子に見えていると思います。
トラ:求められると応えたくなりますもんね。その感じ、すごくわかります。やっぱり私たち、根がマジメだから(笑)。
中川:トラウデンさんは世間からはきっと知的とか、クールなイメージを持たれていると思うのですが、実際はすごく気さくでギャップがあるというか。
トラ:それが一番の褒め言葉です。とはいえ、パブリックイメージって、求められた自分に頑張って応え続けてきた結果でもあると思うから一概には否定したくはないとも思っていて。だけど、それをしっかり背負わなければと思い過ぎていた時期があって、そのころはけっこうつらかった。それこそバラエティではもっと伸び伸びとやりたかったけど、視聴者の方がイメージとのギャップで気持ち悪く感じちゃうかなと思って結局いい子にしていようと思ったりとか。
中川:本当はこんなにお茶目な方なのに。
トラ:でも、そうやって期待に応えられるように頑張ってきたことは、きっと自分のスキルにはなったのかなといまは思っていて。人生長いですし、今日のような企画だったり、実際に私と会ってくださった方から自然と広まっていってくれたらうれしいですね。「トラウデンって意外とファニーな人じゃん」って。
【中川安奈の取材後記】
振り返ると私が子どものころ、多くの女子が憧れていた職業はモデル、女優、キャスター……。このすべての肩書を持つトラウデンさん。
だからといって威圧感などはまったくなく、休憩中はスタッフのみなさんとケラケラ笑いながらおしゃべりしたり、おどけてみんなを笑わせてくれたり。その分、撮影に入ったときに一瞬でモデルに切り替わる姿を見て、ギャップに惚れ惚れしてしまいました。
いったいどうしたらこんなスーパー人間になれるのか。
そのヒントになるかもしれないと思ったのが「若いころから大人たちの話をたくさん聞いてきた」という話。その場の空気感を自然と感じ、どのタイミングでどんなスタンスで発言したらいいか臨機応変に対応できるようになったのかも、という。13歳からモデルの世界に入り、自分よりも年上の人たちと接してきたトラウデンさんならではの話にグッときました。
年齢は私よりも6歳若いトラウデンさんですが、見習いたいところや勉強になる話だらけの濃くて楽しい対談のひとときでした。
《とらうでん・なおみ:京都府出身。ドイツ人の父と日本人の母の間に生まれ、’12年に「ミス・ティーン・ジャパン」でグランプリとなり、13歳でファッション誌『CanCam』の最年少専属モデルとしてデビューを果たす。慶應義塾大学法学部政治学科卒で、報道・経済番組に出演するほか、現在は女優として精力的に活動し、放送中のドラマ『クロスロード ~救命救急の約束』(テレビ朝日系・毎週火曜夜9時~)では新人看護師の青山灯を演じる。最新情報はインスタグラム(@naomi_trauden_)まで》
《なかがわ・あんな:東京都出身。幼少期をフィンランドやプエルトリコで過ごす。’16年にNHKにアナウンサーとして入局し、『サンデースポーツ』やパリ五輪の現地キャスターとして活躍。’25年春に同局を退局後、芸能事務所のホリプロに所属しフリーアナウンサーやタレントとして幅広く活躍する》
『FRIDAY』2026年8月21・28日合併号より
