「カタカナ・コーシャ」のウェブサイト

 非暴力不服従を唱えインド独立を主導した人はガンジーか、ガンディーか、それとも―。ヒンディー語などインドの言葉の発音をできるだけ原音に近いカタカナで示すウェブサイトを東京大文学部の加藤隆宏教授(インド哲学)が開設した。利用者から修正提案も受け付け「言葉の成り立ちと発音は関係が深い。カタカナ表記を通じ、インドの言葉そのものに関心を持ってほしい」と話す。(共同通信=和田真人)

 サイト名は「カタカナ・コーシャ」。コーシャはサンスクリット語で辞書の意味だ。加藤さんが訳者を務めたインドの州首相に関する書籍が2026年5月に出版された際、巻末に「インド諸語カタカナ表記リスト」を掲載したことがサイトを立ち上げる直接のきっかけとなった。加藤さんと研究室の学生で運営する。

 使い方はこうだ。例えば「ガンジー」と入力すると、「ガンジス川」や哲学者の名前など9件の候補の中に「ガーンディー」が表示される。原語の表記とともに、別名・表記の揺れとして「ガンジー」と「ガンディー」が指摘された。

 「原語の発音とカタカナ表記とのずれや不統一に、多くの研究者が違和感を持ってきた」と加藤さん。2022年に東大インド事務所の所長に就任した際には、日本人駐在員たちがカタカナ表記と、現地での音の違いに苦戦しているのも目の当たりにした。

 インド人学生が日本に留学に来た際も、行政機関への届け出に本来の名前の発音とは大きく異なるカタカナ表記が採用され、それが日本での呼び名となる例も見てきた。

 生成人工知能(AI)が普及し、ウェブ上の情報が参照される機会はますます増えている。「完璧な表記は難しいが、日本人にもインド人にも使ってもらい、より良いものに育てていきたい」と加藤さんは考えている。

 サイトのURLはhttps://www.l.u‐tokyo.ac.jp/katakanakosha/

「カタカナ・コーシャ」について語る東京大の加藤隆宏教授=2026年6月、東京都文京区

インド・ニューデリー