実家の片付けはなにから手をつければいいかわからないもの。今回は片付けアドバイザーの石阪京子先生から、実家の片付けで大切な4つのポイントを教えてもらいました。あわせて、スムーズに片付けを進める方法も紹介します。

1:事前に片付けのことを共有しておく

帰省時に、いきなり片付けを始めるのはNG。親も驚いて構えてしまいます。

「“安全に暮らせるように、片付けたらいいと思うんだけど”など、LINEや電話で話しておくとスムーズ。周囲の人の体験談などを引き合いに出すとうまくいきます。事前に話しておくことで、親も心の準備ができるはずです」(石阪さん、以下同)

2:キレイな家より、安心・安全を目標にする

自分の家の片付けとは違い、実家の片付けの場合は、見た目のきれいさよりケガをしない家をつくることがゴールになります。

●「骨折・転倒」は要介護になる原因の第3位

生活動線を安全に確保し、よく使うものは危なげなく取れる場所へ。

「1階をメインに過ごせるようにするなど、今後を考えて部屋割りや家具を一度見直すのもおすすめです」

●石阪さんの実家のビフォーアフター

万年床だと布団につまずく危険が。布団の上げ下ろしで転倒することもあるので、ベッドに変更。片付いていれば将来介護士にも入ってもらいやすく、自宅で長く過ごせる可能性がアップ。

「元気なうちに片付ければ、自宅で長く過ごせるんです」

3:短期集中なら3日、じっくりなら半年〜1年かけて目標に近づける

可能なら、3日間集中して片付けるとモチベーションが続きます。

「時間をかけて少しずつという場合は、半年〜1年を目安に。親が『いる/いらない』の判断をし、子どもが動いて片付けましょう。迷うものは使っていない部屋などに移動させても。毎日使うキッチンの使いやすさがアップすると、親も片付けのメリットを実感するはず」

●実家片付けのスムーズな手順

1:実家に残っている自分のものを処分
子ども時代の学用品や独立前に使っていたものが残っていたら、まずはそれを処分。スペースがあけば、ものの一時保管場所に。

2:キッチンを整理して使いやすくする
要・不要の判断が容易なものが多いキッチンから始めて、弾みをつけましょう。使っているものだけを選んで残し、使いやすい場所に収納。

3:寝室を片付けて安全を確保
生活動線上につまずきやすいものがないよう、すっきりさせて。高齢者は布団よりベッドが安心。車椅子になっても移動が容易に。

4:リビング、その他を片付ける
最後にリビングやその他を片付けます。普段あまり使っていない部屋は転倒のリスクさえ減らせれば、完璧に片付けなくてもOK。

4:「紙」を片付け、大切な情報を整理する

実家片付けでもっとも重要なのが「紙」片付け。

「親が認知症になると資産を動かせなくなるので、親の介護費用や施設に入居するための費用を動かせるようにしておくことが大事です。そのためにも、『金目の紙=財産にまつわる書類』を把握し、対処しましょう。紙を整理することで、今後のライフプランが明確になります」

●チェックしておきたい「財産にまつわる書類」

・親の収入がわかる紙

年金など、ベースになる収入がわかれば、介護が必要になった際の選択肢も明確に。

・不動産関係の書類

重要事項説明書、不動産売買契約書、登記済権利書などは相続や売却時に必要になります。

・自宅のリフォームの明細書

リフォームの明細など、不動産の価値を高めた証明も、売却時などに重要になるので保管を。

・生命保険の証書

保険の内容、保障の期間、保険金の額などを確認し、万が一のときの請求もれを防ぎましょう。

・固定資産税の納税通知書

親が所有する不動産が明確に。固定資産税だけ払い続けて活用していないものは売却も検討。

・ゴルフやリゾートの会員権
会費に見合う使い方をしているか確認を。ほとんど利用していないなら解約を検討しても。

・借入金の返済予定表
借入金がある場合は返済予定表を見て、その内容や返済できるのかなどをチェック。

・証券口座の通知書

証券の相続には、原則子どもも同じ口座を開く必要があるため、複数ある場合は整理を検討。

・通帳(今は使っていない古いもの)

10年取引がない口座は休眠口座になっている可能性があるので、親が元気なうちに整理を。

・通帳(今も使っているもの)

メインで使っている銀行は、親が施設に入ったときにも引き出せる代理人登録をすると安心。