「もう全部有料席にした方がいい」花火大会翌朝の“惨状” 無料エリアと有料エリアのマナー格差の指摘も
夏の風物詩である花火大会。全国各地で大きな盛り上がりを見せているが、今年も大会終了後に残されるゴミがSNSで問題となっている。
【画像】モラル崩壊の「現場写真」 歩道が塞がるほどの大量のゴミ
空き缶やペットボトルだけでなく、場所取りに使ったレジャーシートをそのまま残して帰る人もいる。こうした光景をめぐり、SNSでは「もう全部有料席にした方がいい」との声もあがっている。
自転車まで放置 花火大会後の様子
8月1日に開催された「第67回いたばし花火大会」。その翌朝、会場周辺の様子を撮影した近隣住民の50代男性・わたさんは、Xにこう投稿した。
「ゴミもたくさん落ちてるし、それだけでなくシートも敷きっぱなし……。意味わかんないけど自転車まで捨ててあった。これを片付ける経費とかもあるから有料席が増えてくんだろうな」
写真には、河川敷に残されたゴミやレジャーシートなどが写っている。なかには、自転車まで置き去りにされていた。
これに対して、SNSでは観客のマナーを問題視する声が相次いだ。
「大型花火大会の存在意義が問われますね。地元は敷地侵入で苦しんでるらしいし……」
「ワールドカップでゴミ拾いする日本人が賞賛されてたけど、実態はこれ。嘆かわしい」
「こんなことしてたら、そのうち有料席以外なくなっちゃうよ」
こうした状況は今年だけなのか。
わたさんに例年の状況について聞くと、「毎年細かく見ているわけではないですが、ゴミはいろんなところに散乱しています」と話す。
提供を受けた昨年の写真には、会場へ向かう途中の歩道にある自動販売機の空き缶入れ周辺に、大量のゴミが積み上げられている様子が写っていた。
「会場手前の歩道の自動販売機の空き缶入れ周辺に、歩道が塞がるぐらいにゴミが捨てられていたこともありました」
さらに3年前には、ゴミ捨て場に大量の発泡スチロールや段ボールが置かれていたという。
「本来持ち帰らなきゃいけない、露天商の発泡や段ボール、これらは事業用ゴミのはずですが、それが一緒に捨てられていました」
会場内だけでなく、その周辺でも花火大会後のゴミは以前から目につく状況だったという。
一方、今回のいたばし花火大会で有料エリアを利用したという人からは、「22時まで有料エリアにいましたが、有料エリア側は当日も清掃が入り、かつ、そもそもみなさん道中でゴミ箱に捨ててくれていたので、夜間に目立つゴミは見なかったです」との声も寄せられた。
「全部有料席にしたらいい」ゴミ問題にうんざりしている住民たち
有料エリアと無料エリアの状況を単純に比較することはできない。それでもSNSでは、
「全部有料席にしたらいい」
「場所取りの時間的コストを考えても、全部有料にした方が見る人も主催者もみんな良いと思う」
「来年の花火大会のポスターにこの写真出して、『ゴミ処理経費かかるので有料になります』ぐらいすればいい」
など、有料化エリアを広げることを求める意見も目立った。
では、近隣住民として主催者側には何を求めるのか。
わたさんは、当日は仕事で現地にいないことも多く、実際にどのような対策が講じられているのかは詳しく把握していないとしたうえで、
「今後どのようにしてほしいかは何とも言えませんが、やはりこのイベントを続けるためには、近隣住民が納得できる対策を模索し続けてもらいたいとは思います。『いっそ花火大会を無しでいい』という声もありますが、それはちょっと淋しいです」
と語った。
筆者は、いたばし花火大会の主催者側にも、有料観覧席の収入の使途や、有料席を増やすことで清掃体制を強化できる可能性などについて取材を申し込んだ。
しかし、大会終了後の対応に追われているため、しばらくは取材対応が難しいとの回答だった。
また、別の都内の花火大会を運営する自治体にも取材を申し込んだが、こちらも「現在は大会後の作業に追われている」として取材は難しいとのことだった。
花火大会は開催当日を迎えるまでの準備だけでなく、終了後にも多くの作業が残されていることがうかがえる。
花火大会をめぐるゴミ対策は、会場によっても状況が異なる。
昨年、隅田川花火大会のゴミ問題について現地取材した際には、人であふれる会場周辺の店舗から「ゴミ問題ではそれほど困っていない」という声も聞かれた。
実際、区が主導して仮設ゴミ箱を設置していた会場周辺は比較的きれいに保たれており、付近の住民からも同様に「困っていない」という声があった。
SNSに投稿しただけで批判の声も
しかし、少し路地へ入ると状況は変わる。会場周辺のマンション管理人は、こう話していた。
「毎年、花火大会の翌朝に出勤するのが憂鬱ですよ。マンションの植え込みにペットボトルや空き缶が投げ捨てられていますからね。これを掃除するところから一日が始まるという感じで……」
会場内をきれいに保てても、帰宅途中の道路や住宅地にゴミが流れてしまえば、近隣住民の負担はなくならない。
こうした花火大会後の状況をSNSで発信する人は少なくない。問題を知るきっかけになる一方、発信した本人が思わぬ批判を受けるケースもある。
今回、わたさんが現状を投稿したところ、「お前が手伝え」といった、わたさんを責めるようなコメントまで寄せられたという。
「私自身なんとなく現状を投稿しただけなのに、その投稿に厳しい意見をたくさんいただき、まるで自分が悪いかのような嫌な思いをしました」
無料で楽しめる夏の風物詩をこれからも続けていくためには、観客一人ひとりがゴミを持ち帰ることはもちろん、会場の外まで含めて、近隣住民に負担を残さない仕組みも必要になりそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部
