@AUTOCAR

写真拡大 (全6枚)

モントレーで初めて新作を公開したのは1998年

ランボルギーニは、今年も8月中旬にアメリカのカリフォルニア州モントレーを中心に開催されたモントレー・カーウイークのイベント内で、『ランボルギーニ・レヴエルトSV』を世界初公開した。

【画像】ランボルギーニ・レヴエルトに最強モデル『SV』登場!元祖SVモデル『ランボルギーニ・ミウラSV』と合わせて 全76枚

ランボルギーニがモントレーで初めて新作を公開したのは1998年のこと。アメリカ市場向けに20台の限定生産を計画した『ディアブロSVモントレー・エディション』がそのファーストモデルである。


モントレー・カーウイークのイベント内で世界初公開された『ランボルギーニ・レヴエルトSV』。    ランボルギーニ

そして2010年代の半ばを迎えると、ランボルギーニはメジャーなモーターショーとともに、多くのエクスクルーシブなイベントで賑わうこのモントレー・カーウイークを、ニューモデル発表の舞台として積極的に選ぶようになった。ランボルギーニのようなスーパーカーブランドにとって、それは極めて大きな、そしてカスタマーへダイレクトに伝わるプロモーション効果を生む場であるからだ。

改めてここ10年ほどを振り返ってみても、
・アヴェンタドールLP750-4 SVロードスター(2015年)
・チェンテナリオ・ロードスター(2016)年
・アヴェンタドールSVJ/SVJ63(2018年)
・アヴェンタドールSVJ63ロードスター(2019年)
・カウンタックLPI800-4(2021年)
・ウルス・ペルフォルマンテ(2022年)
・ランツァドール(2023年)
・テメラリオ(2024年)
・フェノメノ(2025年)
といったモデルが発表されている。

創立年に敬意を表して1963台を限定生産

そして今年、2026年のモントレー・カーウイークの幕開けを飾るイベント、『ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング』で、ランボルギーニが世界初公開したのが、同社の創立年である1963年に敬意を表して1963台が限定生産されるレヴエルトSVだ。

SVとはもちろん『スーパー・ヴェローチェ』を意味するものであり、これは55年前に誕生した『ミウラSV』から受け継がれる称号(正確には、ミウラではスピント・ヴェローチェの意であると説明されていた)。


最初にSVの名が登場したのは、55年前に登場した『ミウラ(P400)SV』。    ランボルギーニ

その後1996年に『ディアブロSV』、2009年に『ムルシエラゴLP640-4SV』、そして2015年に『アヴェンタドールLP750-4SV』、翌2016年に同ロードスターも登場している。レヴエルトSVはその一連の血統を受け継ぐ、由緒正しき究極の12気筒モデルなのだ。

ランボルギーニはこのレヴエルトSV開発プロジェクトにおいて、『ザ・クァンタム・オブ・ドライビング』というコンセプトを掲げてきた。この言葉はレヴエルトSVでのドライビング体験を、スタンダードなレヴエルトとは全く異なる次元へと導くことを意識したことを物語っている。

優秀なエアロダイナミクスを実現するボディデザイン

それはよりダイナミックに、そして優秀なエアロダイナミクスを実現するに至ったボディデザインからも明らかだ。

さらに大きなダウンフォースを得るため、フロントスプリッターやアンダーカウルデザインは一新され、同時にパワーユニットの冷却効率も大幅に向上した。さらに注目されるのは、ランボルギーニがこのレヴエルトSVにおいてダウンフォースの前後バランスを見直していること。それはコーナリング性能の向上に確実に貢献している。


ダウンフォースはレヴエルトから80%プラス。空力効率も60%改善された。    ランボルギーニ

参考までにレヴエルトSVが車体全体で発生させるダウンフォース量の最大値は、スタンダードなレヴエルト比で80%のプラス。同時に空力効率も60%改善されている。

ミドシップに搭載されるエンジンは、6498ccの排気量を持つV型12気筒DOHC自然吸気で、最高出力の825psはこれまでのレヴエルトから変化はない。このエンジンを核に、それに組み合わされる8速DCTに1基、フロントアクスルに2基のエレクトリックモーターを搭載し、PHEV(ランボルギーニはそれをHPEVと称する)のシステムを成立させている。

大きな変化があったのは、このエレクトリックモーターのパフォーマンスと、それに電力を供給するためのリチウムイオンバッテリーの仕様だ。

レヴエルトのエレクトリックモーターは合計で190psを発揮していたが、レヴエルトSVでは295psまで強化されている。一方のリチウムイオンバッテリーは、搭載容量が3.8kWhから7.3kWhへと増加した。

レヴエルト比で最高出力50psのエクストラ

ランボルギーニによればこのレヴエルトSV用のリチウムイオンバッテリーは、レヴエルト比で最大で4倍もの性能安定性を持ち、いかに過酷な走行環境下においてもエレクトリックモーターの安定した出力特性を実現するという。

このパワーユニットシステム全体での最高出力は1065ps、最大トルクは1425Nmにも達し、これはレヴエルト比では最高出力で50psのエクストラを得た計算になる。


エクステリア同様、シャープでスパルタンなテイストとなるキャビン。    ランボルギーニ

エレクトリックモーターのみの駆動による、いわゆるゼロエミッション走行の可能距離については現在の段階では明らかにされていないが、こちらも十分に魅力的な数字が得られているはずだ。

この強力なパワーユニットに対応するシャシーにも、レヴエルトSVには多くのトピックスがある。

GT3レーシングカーで得られたノウハウを生かした4ウェイの手動調節式ダンパーを採用したサスペンションは、オンロードからサーキットまであらゆるシーンで常に最適化されたダンピングを約束。

ブレーキシステムも最新のCCM-Rプラスカーボンセラミックディスクを採用したSV専用のもので、200km/hから完全停止までに必要な距離はわずかに110mと発表され、ブレーキのコントロール性もより魅力的なものに進化している。

また、走行中は常にリアルタイムで監視され、コーナリング時などでの車両の動きを高精度で把握できるようになったという。車両の重心近くには最新の6Dセンサーが搭載され、それが総合制御の中核を担う。

ブリヂストンの専用開発タイヤを採用

前後ホイールはセンターロック式の『3Dスーパーライトドロモス』。これにはブリヂストンの専用開発による、サーキット走行にフォーカスしたセミスリックタイヤ『ポテンザ・レースR』の組み合わせが可能。

また、オンロード走行向けに同じくブリヂストン製の『ポテンザ・スポーツ』、そしてウインタータイヤの『ブリザックLM005』の装着もでき、サイズはいずれもフロントが20インチ、リアが21インチの設定だ。


カーボンファイバーシェル構造のスポーツシートが標準となり、オプションでモノコックカーボンファイバー製のレーシングシートが用意される。    ランボルギーニ

エクステリアと同様に、こちらもシャープでスパルタンなテイストにアレンジされたキャビンには、カーボンファイバーシェル構造のスポーツシートが標準で、オプションでモノコックカーボンファイバー製のレーシングシートが用意される。

ランボルギーニはレヴエルトSVのインテリアに12タイプのコントラストレザーカラーを用意しているが、さらに個性的なモデルを望むカスタマーのために、パーソナリゼーション部門のアド・ペルソナムがそのリクエストに対応する。

ステアリングホイールの右側にはSVで新採用された新たなドライブモード、『ピロータ』を選択するためのロータリーノブがレイアウトされる。それによって5段階のトラクションコントロールシステム設定など、極めて高度なドライビングセッティングを楽しむことができる仕組みだ。

スーパーカーファンの誰をも納得させる数字

注目のパフォーマンスデータには、0→100km/h加速の2.4秒、0→200km/h加速の6.7秒に象徴されるように、スーパーカーファンの誰をも納得させる数字が並ぶ。

最高速は345km/hと発表されているが、その領域に挑むことができるのは、わずか1963人のカスタマーのみであることは当然だ。


レヴエルトSVの最高速は345km/hと発表されている。    ランボルギーニ

新たにレヴエルトへと継承された、ランボルギーニ伝統のSVの称号。前作のアヴェンタドールLP750-4SVが、600台のクーペと500台のロードスターを、いずれも一瞬でソールドアウトさせたことを考えれば、そして当時からさらに成長した現在のランボルギーニの姿を考えれば、1963台のレヴエルトSVにも、既にその発表時点でオーナーは決まっていると考えるのが妥当だろう。

今年のモントレー・カーウイークもでもまた、ランボルギーニはその存在感を世界に広く知らしめたのである。