【考察】「抱えた“負債”をつっかえしたい」『ツナガール!!』主人公・あゆかが「遠い海」を目指した本当の理由と姉妹の葛藤

写真拡大

「長女としての損」と「妹への嫉妬」が引き起こした家庭崩壊

『ツナガール!!』第1話で読者を最も惹きつけるのは、リアルに描かれる姉妹間の深い確執と心理的トラウマです。

姉は劇中で「長女ってホント損。下の子のお世話やフォローばかり」と愚痴を漏らしています。甘え上手で周囲に助けられるあゆかに対し、姉は強い嫉妬と「自分ばかりが損をしている」という被害者意識を抱え、結果としてあゆかを徹底的に見下すことで心のバランスを保っていました。

あゆかを「ぼーっとしてバカでトロい」とレッテル貼りすることは、姉にとっての防衛機制だったと考えられます。

「笑顔」という防衛策の限界と、学費使い込みという決定打

あゆか自身も、自分が「ダメな子」であると自覚していました。 彼女なりに家庭の不穏な空気を察し、「自分が笑顔でいれば、お母さんとお姉ちゃんはきっと仲良くしてくれる」と、幼いながらに気を遣い続けていたのです。さらに勉強を頑張ることで「ダメな子じゃなくなるかもしれない」と信じ、姉に認めてもらうために限界まで努力しました。

しかし、そのささやかな願いは、姉による「400万円の学費をロレックサ(高級時計)に換える」という暴挙、そして「1円も稼いでいない奴の努力なんて遊んでいるのと同じ」という非情な一言によって無惨に打ち砕かれます。

「小さい頃からの負債」をすべて返すために

あゆかが漁船の親分に語った「小さい頃からの負債」という言葉には、単なる金銭的な損失だけでなく、「お姉ちゃんに一方的に押し付けられてきた『ダメな妹』という精神的な借り(負債)」という意味が込められています。

誰かに助けてもらい、笑顔で気を遣いながら生きる守りの姿勢を捨て、あゆかは自らの足で立ち、自分の力で「400万円」以上の価値を稼ぎ出すことを決意します。

「全部つっかえして、思いっきりひっぱたきたい」という言葉は、姉や家族に依存し、虐げられてきた自分自身との決別宣言でもあります。

彼女が過酷な男社会であるマグロ漁船でどのように成長し、その「精神的負債」を完済していくのか。今後の展開から目が離せません!