エプスタイン元被告(時事通信フォト)

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 米司法省(DOJ)が今年1月30日(現地時間、以下同)に約300万ページに及ぶ「エプスタイン文書」を追加公開してから、およそ半年。公開資料をきっかけに各国で捜査や検証が進む一方、犯罪ネットワークの全容解明にはなお遠い。

【写真を見る】エプスタイン被告に若い女性を紹介していたとされるシエド、電気マッサージ器やナースセットが用意されていたエプスタイン邸の内部

 そうしたなか、2019年に勾留中に死亡したジェフリー・エプスタイン元被告(享年66)に若い女性を紹介していたとされる男性が今年7月20日、パリ郊外の自宅で死亡しているのが見つかった。【前後編の前編】

「死亡したのは、フランスを拠点に活動していたモデルスカウト、ダニエル・シアド(69)。長年、各地で見つけた有望なモデルやその卵を、業界の大物らへと繋ぐ役割を果たしていました。世界的な有名人ではありませんが、業界内では顔が広い存在だったようです。

 DOJが公開した文書にはシアドの名前が約2000回登場し、本人も米テレビ局『CNN』のインタビューにおいて、複数人の女性をエプスタイン元被告に紹介したと発言していました。しかし、性犯罪への関与や人身取引の疑いについては否定。元被告との関係はあくまで仕事上のもので、正規のモデルスカウト業務をしていただけにすぎないと主張していました」(大手紙国際部記者)

 フランス当局は今年2月以降、エプスタインの関係者とされる人物に対し、人身取引などをめぐる捜査を開始。捜査関係者の説明によると、シアドに対しても電話傍受などを実施していたが、直ちに逮捕するに足る証拠は得られていなかったという。シアドの死亡が確認されたのは、捜査が続くなかでのことだった。

司法解剖は7月23日に行われましたが、死亡に結びつくような暴力の痕跡は確認されなかった一方、健康状態が良好でなかったことや、過去に心筋梗塞を起こした痕跡は認められました。ただし、直接の死因は特定されていない。現在は、薬物や毒物の有無を調べる毒物検査と、細胞レベルの病理検査が続いている状況です」(同前)

服役中に「若い女性を紹介する」やり取りが…

 シアドは、少なくとも2009年から2018年までの約10年間にわたり、エプスタイン元被告と連絡を取り合い、各国で見つけた若い女性やモデル志望者について写真・年齢・身体的特徴などを送信し、面会や移動を手配していたという。2人のやり取りが確認され始める2009年は、元被告が"1度目の逮捕"による拘禁刑を終えて出所した年にあたる。前出・大手紙国際部記者が続ける。

「エプスタイン元被告は、2度逮捕されています。1度目は2006年。米フロリダ州に所有する邸宅で少女らに金を支払い、性的な行為をしたとして逮捕・起訴され、2008年に有罪判決が下されています。禁固刑18か月に服すことになりましたが、その後、 2009年7月22日に13か月足らずで出所。DOJが公開した関連文書によれば、シアドによるモデルを紹介する旨のメールは、元被告の出所前から送られていました。

 同年6月2日、シアドは、ラトビア出身の"素晴らしいモデル"を見つけたと元被告に報告するような内容のメールを送っている。身長と年齢を記載したうえで、『実際の年齢より若く見える』と紹介。さらに7枚の画像が添付されていました。

 この他にも、シアドは元被告に若い女性を繰り返し紹介していたようです。2011年6 月には、複数枚の画像とともに〈こちら19歳。フランス人とベルベル人のハーフ。スリーサイズは80C、60、90。身長1メートル74。ベリーナイスガール〉という文面を送っていた。これに対して元被告は、〈あまり興味を引かれない。申し訳ない〉と返信。こうしたやり取りから、元被告が女性を個別に選別していたことがうかがえます」(同前)

 シアド本人は性的虐待への関与を否定しているが、一方で"勇気の告発"を行った女性たちがいる。後編では、被害を受けたと主張する元モデル女性らの「告発内容」を詳報する。

(後編へつづく)