屋内・屋外別の蚊対策!虫よけの選び方とNGな使い方を解説。ワンプッシュ式スプレーはエアコンを止めてから使って!
ドラッグストアやホームセンターの殺虫剤売り場には、蚊から身を守るためのさまざまな商品が並んでいるが、どれを選んでどんなふうに使うのが最も効果的なのだろう?害虫駆除のプロ、足立雅也さん(808シティ代表)にシーンに合った商品選びのポイントと、蚊取りや殺虫剤の効果的な使い方を解説してもらった。
蚊取り線香の効果は1平方メートル程度
まずは屋外で蚊に刺されないためには、どんな虫よけを選べばいいのかについてお話ししましょう。
アウトドアレジャーを楽しんだり、庭やベランダで作業する際は、蚊取り線香や、空間バリア型の虫よけスプレーを使う人も多いでしょう。
ただし、効果の範囲には注意してください。屋外で蚊取り線香を焚いた場合、風向きにもよりますが、蚊除け効果が期待できるのは1平方メートル程度。5〜6人の家族やグループでバーベキューをやるときなどは、少なくとも四カ所に蚊取り線香を置く必要があると思っておいてください。
肌に塗るタイプの虫よけがオススメな理由
屋外で蚊に刺されるリスクをできるだけ減らしたいなら、肌に直接塗るタイプの虫よけがおすすめです。
蚊は人間の体温や汗の匂い、二酸化炭素などをセンサー(感覚器)でキャッチして集まってきます。肌に直接塗るタイプの虫よけには、蚊の感覚器を麻痺させる成分が含まれているため、これを塗られると蚊は混乱して、どこに人間がいるのか、どこを刺せばいいのかが分からなくなり、結局はなにもできずに退散していくことになります。
肌に塗るタイプの虫よけには“ディート”または“イカリジン”という成分を含んだ二種類の商品が市販されています。以下、二つの成分の違いを簡単にまとめておいたので、商品を選ぶ際の参考にしてください。
「ディート」「イカリジン」の違いと選び方
■ディート
日本で最初に承認された虫よけ成分。生後6カ月未満の乳幼児には使用不可。服の上からスプレーした場合、ポリエステル素材を含んだ服やプラスチック製品を変色・変質させる恐れがある。
■イカリジン
2015年に承認された比較的新しい虫よけ成分で、プラスチック製品や化繊の服に吹きかけても素材を変色・変質させることがない。皮膚への刺激も少なく、年齢制限や一日の使用回数に制限がない。ディートよりも使い勝手がよく、対応できる虫の数もディートと同様。
どちらも蚊よけに効くことに変わりはありませんが、服の上からもスプレーしたい場合や、赤ちゃんに使いたい場合はイカリジンを含んだ虫よけを選ぶといいでしょう。
なおキャンプや山登りなどに出かけて、長時間虫から身を守りたい場合は、濃度の高い医薬品の虫よけを選ぶのがよさそうです。
室内の蚊にはワンプッシュ式がオススメ
では次に、室内に侵入してきた蚊の撃退法についてお話しましょう。家の中の蚊には、蚊取り線香や、電気蚊取りを使うのがこれまではスタンダードでしたが、近年はワンプッシュ式のスプレータイプの蚊取りが定番になりつつあるようです。
ワンプッシュ式蚊取りと従来の蚊取りは似て非なるものです。従来の蚊取りが熱で薬剤を気化させて蚊を駆除するスタイルなのに対し、ワンプッシュ式は薬剤をミスト状に空間に噴射して壁や床に付着させ、休憩のために壁や床に止まった蚊を駆除します。
スプレーをワンプッシュした際、壁にとどまる薬剤は30%程度で、70%の薬剤は床に落ちてしまうのですが、蚊は飛んでいる時間よりも壁に止まって休んでいる時間のほうがはるかに長いため、しばらく経つとほとんどの蚊はコロリと床に落ちてきます。
ワンプッシュ式蚊取りは、電気も火も必要ないうえに一回の使用で半日〜1日と、効果が長く続くので非常に便利なのですが、使い方を間違えると効果が半減してしまうので注意が必要です。
エアコンは必ず一度止めて!
ワンプッシュ式蚊取りを使用する際は、必ずエアコンや空気清浄機など空調機器を一度止めてからスプレーしてください。
蚊取り線香や電気蚊取りの場合は、有効成分が気体となるため、空調を稼働させたままでも効果にそれほど影響はありません。しかし、ワンプッシュ式蚊取りの場合は成分がミスト(粒子)状になるので、空調をつけたままだと本来壁に付着するはずの有効成分が、空調内のフィルターに付着し無駄になってしまいます。
空調機器をとめてドアを閉め切り、スプレーを噴霧して、30分ほど放置した後に空調のスイッチを入れなおすのが、プッシュ式蚊取りの効果的な使い方です。
スプレーを噴霧した部屋に、人がそのまま留まっていても特に大きな健康被害を生じることはありませんが、ミストを吸い込んで舌の奥に苦みを感じたり、舌に軽い痺れを感じる人もなかにはいらっしゃいます。スプレーした後はできれば30分ほど他の部屋に避難するか、ワンルームの場合は少しの間外出してから部屋に戻ることをおすすめします。
ワンプッシュ式の蚊取りは、家の中だけでなく野外でテントに泊まる際にも使えるタイプもあります。テントの中でワンプッシュするとテントの内側に成分が付着し、少しずつ揮発していくので、テント内に入りこんだ蚊が死ぬだけでなく、開口部を開け閉めする際も蚊が入ってきにくくなるのです。
せっかく買った虫よけですから、しっかり効果が出るように使ってくださいね。
足立雅也(あだち・まさや)
害虫駆除や鳥獣対策を手掛ける「808シティ」代表取締役社長。
構成=中村宏覚

