165cm×185cm、身長差20cmの凸凹男子カップルが積み重ねる愛おしい日々。そしてふたりが選んだ道は? 『165185』が第4巻にて遂に完結!【書評】

【漫画】本編を読む
『165185』(野良おばけ/KADOKAWA)は、身長165cmの日下部誠と185cmの遠山聖という、身長差20cmの男性同士のカップルが、少しずつ恋人として距離を縮めていく日々を描いたラブストーリーだ。派手な事件や劇的な展開ではなく、「好きな人と一緒にいる時間」の尊さを積み重ねていく作品である。
高校の卒業式。誠は、ずっと憧れていた聖へ思いを伝えるだけのつもりで告白する。しかし、伝えられれば十分だったはずの告白は、予想外にも成功してしまう。かくして恋人同士になったふたりは、日々の何気ないコミュニケーションを重ね、お互いのことを少しずつ知りながら距離を縮めていく。
そして完結となる第4巻では、ふたりがいよいよ同棲生活をスタートさせる。生活リズムや家事のルールなど、ともにスタートした新生活での日常を築きながら、互いを思いやる姿が微笑ましい。また、高校時代の誠の恋心が描かれた過去のエピソードも収録されており、「なぜ誠は聖に惹かれたのか」という物語をより深く楽しめる部分にも触れられる。シリーズを締めくくるにふさわしい、心が温かくなる読後感を期待してほしい。
ふたりの間には大きな誤解も過剰なすれ違いもない。それでもずっと彼らを見ていたくなるのは、恋人同士が少しずつ相手を知り、理解し合っていく過程そのものが何より愛おしいからだろう。「好き」という気持ちは、一緒に過ごす時間のなかで少しずつ育っていく。本作は、そんな恋愛から感じる幸せそのものを描いている。優しいラブストーリーを楽しみたい人に、ぜひ手に取ってほしい作品だ。
文=富野安彦
