おじさんの短パンは不快? 40代記者が挑む「鼻毛・耳毛」医療脱毛とツルツル回避の減毛法
すね毛は不快? おじさんの危機
夏本番を迎え「おじさんの短パン問題」に揺れる日本。東京都庁による省エネ対策「東京クールビズ」によって、ハーフパンツ(短パン)出勤が可能になったことで生まれた「おじさんのすね毛を見るのが不快」という悲しい議論、そしてやり玉に上がってしまった「おじさんのすね毛」。
今後おじさんは、すね毛を隠しつつ、そのほかの“ムダ毛”と呼ばれる部分のケアをする必要に迫られるのではないだろうか……。
そんな風潮に応えてか『湘南美容クリニック』では、’26年6月から「鼻毛・耳毛の医療脱毛」をスタート。このサービスはムダ毛の扱いに悩むおじさんたちの救世主となるのか? 40代半ばの男性記者が湘南美容クリニックで「鼻毛・耳毛の医療脱毛」の体験と、最新の男性の脱毛事情をレポートする。
若者は常識? 男の最新脱毛
今回、男性の脱毛事情についてお聞きしたのは、湘南美容クリニック新宿本院の副院長、御園生佳奈子(みそのう かなこ)医師だ。
「脱毛する男性は増えていますし、当院でも髭をはじめ、全身の医療脱毛を選択される男性のお客さまが増えてきています。
以前ですと、美容に限らず、日焼け止めやスキンケアをしない男性がほとんどでしたが、今は若い方を中心に当たり前のように行うようになってきました。
当たり前になることで、美容医療への抵抗感も年々薄れていると感じますし、SNSの発達で自分の写真をアップする機会も増えていて、見られている意識が高まっていると感じます」(御園生医師・以下同)
たしかに、若年層のスキンケアはすでに一般的になっているという風潮さえあるし、中高年の間でも日傘を差す人が増えていることを踏まえると、肌や露出している体毛など、見た目のケアはこれまで以上に盛んになっていて、ともすればエチケット扱いされるのも時間の問題なような気もする。
ということは、あらゆる体の機能が低下するおじさんにあって、加齢するごとに異常な成長率を見せる鼻毛や耳毛についても、ケアの対象となるのは当然といえるのではないか。
「耳と鼻は、ムダ毛が1〜2本あるだけで清潔感を損なってしまうことも。本人では気付きづらい箇所でもあるので、医療脱毛でそのうっかりをなくすお手伝いができるのかなと思います。
外見的な美容目的となりますが、手入れがおろそかになりがちな箇所をしっかりケアすることで自信が持てたりと、内面的なメリットを得られることもあります」
ということで、外見から自信をつけて男を磨くべく、鼻毛と耳毛の医療脱毛にチャレンジ。
この医療脱毛はレーザーによる施術で、毛根へ熱によるダメージを与えて毛を生えなくさせるというもので、毛が生え変わる毛周期(もうしゅうき)に合わせて施術を重ねることで永久脱毛が可能だという。効果には個人差があり、毛量や部位によっては、満足のいく状態まで10回以上の施術が必要となるケースもある。
バチン! 鼻毛脱毛のリアル
まずは医師による肌カウンセリングを受け、医療脱毛をしても問題ないかチェック。その後に施術内容に関する説明、各種書類対応を受けて、いよいよ施術へ。
個室へ通されると、ベッドに横たわり施術開始。鼻の脱毛をするのは入り口から1cmほどの部分で、奥の鼻毛まですべてなくなるわけではなく、あくまで見える部分のみ。
いきなりレーザーを当てるかと思いきや、まずは鼻毛のシェービングから。専用のシェーバーで施術する部分の鼻毛を剃っていく。それから片方に3回ずつレーザーを照射していくのだが、その度に「バチン!」という音とともに、電気のようなビリッとした刺激が感じられる。慣れれば平気だが、最初はちょっとびっくり。
続いて耳へ。こちらも生えている毛を剃ってからレーザーを照射。鼻と違い、痛みはまったくといっていいほどなく、鼻と耳合わせて約10分で終了。
術後は若干、鼻の中に焦げ臭さが残るものの、食事をはじめ、日常生活にはまったく影響なし。これであれば、あと2回通うのも余裕でできそうだ。
ときどきふさふさしてむずがゆかった鼻毛のわずらわしさや、いつの間にか1〜2本生えっぱなしになっていた耳毛に気付き、鏡と格闘しながら耳毛を引っこ抜く時間がなくなるかと思うと、ずいぶん気が楽になったような気がする。
ツルツル回避! 大人の減毛法
鼻毛と耳毛脱毛を体験し、俄然ムダ毛ケアにも前向きになってきた記者。そこで、ほかの男性たちはどんなムダ毛ケアをしているのかも、引き続き御園生医師に聞いた。
「全身脱毛する方もいらっしゃいますが、もっとも多いのはヒゲですね。
受ける方の雰囲気にもよりますが、ヒゲを全部脱毛する方もいらっしゃれば、頬の部分だけ脱毛して形を整えるという方も多いです。ヒゲは全部なくなると若々しくなり過ぎる場合もありますし、ある程度生えていたほうが威厳があるという方もいらっしゃいますので、その方に合わせて髭をデザインするようなイメージです。
ほかに、眉毛も周りの毛を脱毛して形を整えるというケアがあります。男性は眉毛を整える習慣がない方も多いと思いますが、脱毛で手入れしなくてもきれいな形に整えることができます。特に人と会う機会の多い経営者の方は、医療脱毛を含めた美容医療を取り入れ、だしなみを整えている方が多い印象があります」
身だしなみを整えるというのは服装だけでなく、いまや頭髪、眉毛、髭、鼻毛、耳毛に至るまで、あらゆる体毛もその対象となっているようだ。
となると、件の「おじさんの短パン勤務」問題のすね毛においても同様なのだろうか。「議論の詳細は存じ上げないのですが……」と前置きして、御園生医師はこう言う。
「私個人としてはご本人が好きな恰好をすればいいと思っています。もし、見られることを気にして短パンを穿けない人がいるとすれば、すね毛の医療脱毛をすることで、見られても恥ずかしくない状態にすることはできますよ。
全部の毛を脱毛してツルツルにするのが恥ずかしい場合は、すね毛を減らしたり、毛を細くして目立たせなくすることもできます。ツルツルに抵抗がある方は、量を減らす施術がおすすめです」
20〜30代を中心に広がっている医療脱毛やムダ毛ケア。そんな若者たちも10年、20年後には立派な中高年となるが、その時代にはムダ毛ケアは当然のエチケットになっているのかもしれない。
「人生100年時代で、40代、50代はまだまだ若いほうです」という御園生医師の言う通り、我々中高年もこの先の“若者”の常識に対応するため、ムダ毛ケアに対する意識をアップデートしなければならない時期に差し掛かっているようだ。「短パンおじさん」は、我々にそれを知らせるため、少し先の未来からやってきた夏の使者なのかもしれない。
取材・文:高橋ダイスケ
