スバルの名車「すばる360」復刻版は“ハイブリッド仕様”!?

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名車「スバル360」復刻版は“ハイブリッド仕様”!?

 昨今の自動車市場では、過去の名車のモチーフと最新技術を掛け合わせた「ネオレトロ」なデザインのモデルが高い人気を集めています。

 そして、そんなトレンドの先駆けとも言える超個性的なクルマが、今から約30年前の1997年に開催された「第32回 東京モーターショー」でスバルから発表されていました。

【画像】超カッコイイ! これが名車「スバル360」復刻版です!(11枚)

 会場のブースで多くの来場者を釘付けにしたそのモデルの名前は、「エルテン(ELTEN)」。

 日本の大衆自動車の歴史において決定的な名車であり、「てんとう虫」の愛称で親しまれた「スバル360」の世界観を、現代的な解釈で大胆に蘇らせた渾身の意欲作でした。

 エルテンの最大の見どころは、ひと目で見る者の心を掴むエモーショナルなエクステリアデザインにあります。

 スバル360の象徴でもあった丸みを帯びた愛くるしいフォルムを忠実に踏襲しつつ、モダンで流麗なボディラインを組み合わせることで、「懐かしさ」と「近未来感」が絶妙に融合した佇まいを実現していました。

 また、丸型ヘッドライトを両端に配置したチャーミングなフロントマスクや、なだらかに傾斜するリアスタイルは、往年のファンから若い乗用車ユーザーまで幅広い世代の共感を呼ぶ仕上がりとなっていました。

 そして可愛いルックスの内部に隠されていた先進のパワートレインこそ、スバルがこのエルテンで伝えたかった技術的ビジョンです。

 ボンネットの下に搭載されていたのは、スバルの代名詞的な「水平対向エンジン」ではなく、当時の軽自動車などで定評のあった直列4気筒エンジンで、ここに電気モーターを組み合わせた「ハイブリッドシステム」を搭載していたのです。

 さらに、変速機にはスムーズな無段変速が可能なCVTを合わせ、駆動方式にはフルタイム4WDを採用するなど、スバルの強みが小さな車体に凝縮されていました。

 1997年といえば、環境を意識した次世代のエコカー市場に世界が注目し始めていた時代です。

 そんな黎明期に、スムーズに回るエンジンとモーターを掛け合わせ、四輪駆動の安心感まで備えた愛らしいハイブリッドカーを提示したことは、自動車業界にとって極めて刺激的なメッセージとなりました。

 環境に優しい燃費性能と軽快な走りを、とびきりキュートなデザインで叶えるという姿勢は、多くのクルマ好きに移動への夢とワクワク感を届けてくれたのです。

 さらにエルテンはその後、2年後の1999年に開催されたモーターショーにおいて、「エルテンカスタム」という新たなスタイルへと進化を遂げることになります。

 こちらはより現代の使い勝手に配慮した実用的な5ドアのハッチバックボディへとまとめられたことで、「いますぐ市販してほしい」「スバル360の後継車としていよいよ発売されるのでは」という期待の声が一気に高まりました。

 しかしその後の結果として、エルテン自体がそのままディーラーの店頭に並ぶことはなく、幻のコンセプトカーとして歴史のページに刻まれました。

 名車のデザイン資産に最大の敬意を払いながら、電動化という新しい時代の技術に挑戦したスバルの熱意は、今も確かな記憶としてファンの心に残り続けています。

 個性的で親しみやすいスタイリングが改めて重要視される現代にこそ、もう一度こうした夢のあるモデルを見たいと願うクルマ好きは、決して少なくないでしょう。