中国山東省のガラス工芸「淄博瑠璃」 世界へ広がる千年の技

【新華社淄博8月3日】中国山東省淄博(しはく)市の淄博陶磁瑠璃博物館を訪れると、瑠璃で編まれたロングスカート、帽子やクリスタルの靴が淄博瑠璃灯工技術の独特の魅力を放っていた。
これらの作品を手がけたのは、山東省の無形文化遺産「瑠璃焼成技術」(ガラス編み技術)の代表的継承者、任波(にん・ぱ)さん。30年余りにわたり瑠璃灯工の世界に身を置き、伝統技法の改良に没頭する一方で後進の育成にも力を注ぎ、淄博瑠璃技法を工房から世界へ羽ばたかせた。

瑠璃のロングドレスは任さんの代表作の一つで、1万個以上の瑠璃のリングをつなぎ合わせて編み上げている。リングの接合の難しさや壊れやすさを克服するため、数えきれない失敗を重ね、2年かけて完成させた。伝統的な淄博瑠璃は小さな置物やアクセサリーが多く、編みの技術もイヤリングやチェーンなど小さいパーツに限られていた。任さんは大胆な革新に挑み、安定性に優れた高ホウケイ酸ガラス素材を採用することで大型の瑠璃編み作品の技術的課題を克服し、伝統技法に新たな活力を注ぎ込んだ。
着色技法にも革新をもたらした。金や銀などの貴金属を高温で気化させることで瑠璃に幻想的なピンクゴールドの質感を出し、作品の奥行きをより豊かにし、風合いを一段と際立たせた。

無形文化遺産の継承にも積極的に取り組み、2013年からは各地の美術大学の教壇に立つ。国内外の多くの愛好家が教えを求めて任さんを訪れ、帰国後に瑠璃工芸の体験施設を開設する外国人受講生も少なくない。中国の無形文化遺産は海を渡り、世界にも根を下ろしている。(記者/朱暁光)





