TrySail、左から夏川椎菜、麻倉もも、雨宮天

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デビュー11周年を迎えたTrySailが、TVアニメ『落第賢者の学院無双〜二度目の転生、Sランクチート魔術師冒険録〜』のED主題歌を表題曲として収録したニューシングル「憧憬」をリリース。深みのある表現力が光る同曲で、3人がこだわったポイントとは? また「憧憬」にちなんで、それぞれが憧れる人についても聞いた。さらに、「Cheers and Cheers!!!」の話題では、「海賊飲み会」のエピソードも飛び出した。”マッスル”も”メンタル”も”ユーモア”も、ますます磨きがかかった3人にインタビュー!

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――デビュー11周年を迎えたTrySailのニューシングル「憧憬」がリリースされます。

夏川:10周年の活動が終わったばかりですけど、休む気も止まる気も一切ないところが、TrySailらしいです!

麻倉:最近は”お祭りマッスルユニット”を全面に押し出した、明るく元気なワチャッとした楽曲が多かったので、久しぶりにこういうTrySailを見せられるのがうれしいですね。

雨宮:TrySailでは、ライブでみんなと一緒に盛り上がれる曲を”マッスル曲”、内面的な歌詞を歌った曲を”メンタル曲”と呼んでいて。最近は確かにマッスル曲続きだったけど、メンタル曲もライブで磨きがかかった印象があります。「憧憬」は内面的なことを歌っているし、曲調としても爽やかだけど、ちょっと切なさや哀愁も感じさせる楽曲です。これをきっかけに、もっといろいろなメンタル曲を歌えたらいいなと思いました。

――楽曲はすごく疾走感があって、耳に残るメロディーで頭からグッと引き込まれました。また歌詞の言葉は、〈呪われた夢〉〈背負う十字架〉など重いものが多い印象です。

麻倉:歌詞がここまで落ちる曲は、今まであまりなかったと思います。言葉に明暗のコントラストがあって、振り幅がすごく大きい曲です。熱いなかにも切なさがある、”静かな熱さ”を感じました。

夏川:〈いつかは朽ちゆく、あの花の様に。〉や〈繋ぎ行く命、手放す時は〉など、音は爽やかなのに、直接的に絶望や墜ちた先を想像させる言葉が多いんです。何かに憧れを抱いていて、まだそこに届いていない人が聴いたら、グサッと刺さる歌詞なんじゃないかと思います。

雨宮:コードも難しくて、すごくいろいろな方向に展開していく曲です。Aメロで盛り上げたものをBメロで突き落とし、2Bに入るとすぐに勢いのあるDメロが来て……。個性あふれる楽曲構成は、まるでショート動画が次々と流れていくような感覚でした。加えて内面的な思いをつづった歌詞が乗っていて、私たちは表現をたっぷり込めて歌ったので、かなり聴き応えのある楽曲になったと思います。

――皆さんの歌声は、とてもエモーショナルだと思いました。

夏川:きっとみんな最初に聴いて、”メンタル”に振り切っていい曲だと感じたと思います。テクニック的な表現よりは、お芝居的な考え方の表現が似合う曲だなと。

雨宮:派手にソースをいっぱいかけるような表現というよりは、岩塩をパラパラとかけるような、繊細な表現の仕方だったと思います。

麻倉:音のレンジが極端に高かったり低かったりするわけではなく、表現をいくらでも入れられる余白がかなりあったので、真っすぐ歌うと逆に単調になってしまいそうだと思いました。それに歌詞も、深いところまで掘れば掘るほど味が出る内容なので、とことん寄り添って、行けるところまで行ったほうが、きっと面白い曲になるんじゃないかと。

――表現方法や印象的なディレクションも含めて、それぞれの「ここをぜひ聴いてほしい!」という部分を教えてください。

麻倉:私が歌っている1Bの〈あなたが背負う十字架さえも 羨む僕には美しいものだった〉は、感情を入れて、切ない気持ちをモリモリで歌おうと準備して行ったのですが、ディレクターさんから「目に光がない感じで、砂となってサア〜ッと消えていくみたいな感じでやってほしい」と言われて。「語尾もニュアンスを入れず、ス〜ッとなくなっていく感じで」と。温度感とか声の出し具合を何度もやらせてもらって、結構苦戦したんですけど、すごく頑張ったので、ここはぜひ注目して聴いていただきたいです。

――すごく難しそうなディレクションですね。

麻倉:これはまだ分かりやすい方です。ちなみに過去一番難解だったディレクションは、「数メートル先の的に矢を放って、弧を描いて真上から刺さる感じ」でした。どういうこと?ってなりました(笑)。

雨宮:私の”ここをぜひ!”という部分は、1Aの出だしも2Aの出だしも両方私が歌っているところです。普段なら1Aの2回し目はナンちゃん(夏川)が歌って、2Aはもち(麻倉)が担当することが多いので、これは結構珍しいことだと思います。ただ、同じメロディーでも歌詞に合わせて表現を変えているので、その違いに注目して楽しんでいただけたらと思います。

夏川:2Bの〈いつかは朽ちゆく、あの花の様に。〉はディレクションで、「お尻にかけてどんどんしぼんでいくような感じ」と言われて、「ウィスパーボイスでやってください」と言われた時の、普段の5倍は少ない息の量で歌ったので、ぜひ聴いてほしいです。

――「憧憬」は「憧れる」という意味で、届きたくてもなかなか届かない、でもどうしようもなく憧れてしまう気持ちを歌っています。そういった憧れてやまないものや、上手くないけど好きなことは何ですか?

雨宮:私は読書が好きなのですが、読み始めるとすぐ寝ちゃうから、寝ずにちゃんと読める人に憧れます。そうなりたくて頑張って読んでいて、読書友だちを作って、月に2回くらい読書会を開いています。おかげで読み終えた本がどんどん増えて、「私、本読めてるじゃん!」って思うので、少しずつ憧れの自分に近づけているんじゃないかって。

麻倉:私はオシャレに模様替えができる人に憧れます。気分転換でよくやるんですけど、せっかくなら可愛くオシャレにしたいじゃないですか! 玄関の棚に飾るような小物を旅先で買ったりするんですけど、上手に飾れなくていつも「ちょっと違うな〜」ってなるんです。最近だとガラス製の天使を買ったので、その子にとってのベストポジションを模索中です。

夏川:私は、一つのことに集中して突き詰められる人に憧れます。それで言うと勉強はなかなか続かなくて、興味を持って資格を取りたいと思って勉強するんですけど、実際に試験を受けるところまではなかなかいかなくて。だから資格取得までやり遂げられる、最後まで続けられる人に憧れます。

――ミュージックビデオについても教えてください。白い衣装で、影を使ったり、布をバックに歌ったり。シンプルな分、皆さんが歌っている表情に注視できる作りだと思いました。

雨宮:白衣装は新人の頃に沢山着ていたのですが、10周年を経て円熟味が出てきた今の私たちだからこそ、同じ白衣装でもパフォーマンスや細かい表情の付け方で、新人の頃とは違うものが出せたと思っています。それも今回MVの魅力になっているんじゃないかなと思います。

麻倉:当日はたくさんの白衣装が用意されていたのですが、自分に似合う形や好きなものが分かっている今だからこそ、すぐに「これかな?」って選ぶことができました。それは10年の経験で鍛えられた能力だなって思います。

夏川:白という統一感はあるけど、形やアクセサリーにはそれぞれの好みが活かされています。私は下に白のサロペットを着ていて、それがすごく気に入ったので選びました。

雨宮:あとエピソードとして、カラフルな布がなびいているシーンは屋上で撮ったんですけど、風がとても強い日で、すごく寒くて大変でした。メイクさんも「キャーッ」って飛ばされそうになりながら何度もメイク直しに入ってくれて。そういう意味では、MVに収められているのは奇跡のカットです。ぜひじっくりご覧ください!

――カップリングには「Cheers and Cheers!!!」を収録。5月に開催されたライブ『LAWSON presents TrySail 10th Anniversary Live 2026 ”Cheers!!!”』のために書き下ろされたノリノリの楽曲です。

麻倉:事前に配信されていましたが、ライブの大阪公演で初披露した際、初見にもかかわらず、みんなすごく楽しそうに一緒に歌って飲み交わしてくれました。もともとみんなで10年を労いたいと思って、「お疲れ様でした! これからもよろしくね!」という気持ちで作った曲なので、それがライブ会場で叶って、みんなで労い合うことができてすごくうれしかったです。

夏川:アンコールの1曲目だったんですけど、本編終わりがすごくパワフルだったから、もうヘトヘトになってしまって。「このあと新曲を歌うのか〜、気合いを入れ直さないとな〜!」ってなったんですけど、この曲のパワーで疲れも吹き飛ばすことができました!

雨宮:後ろを向いて振り返る振り付けから始まるんですけど、振り返った瞬間、みんなの「楽しい飲み会に来ました!」みたいな顔と、構えず楽しもうという空気が広がっていました。いっぱい曲の候補があった中から、この曲ならみんなと楽しめるんじゃないかと思って選んだ曲だったので、そのときに思い描いていた光景がそのままそこにあったような感じですごくうれしかったです。

――ちなみに、3人で乾杯する機会はありましたか?

夏川:日本武道館公演の打ち上げとツアーに向けた決起集会を兼ねたバーベキュー大会を、ツアーのリハの合間にやって乾杯しました。発起人は私で、「ガハガハ豪快に笑いながら、海賊みたいに飲みたい!」って言ったんです(笑)。

麻倉:それでバーベキューに決まって。それこそ海賊が食べそうな大きな塊肉を食べました(笑)。

雨宮:トークテーマも海賊だったんですよ。みんなで海賊船に乗るなら、誰が何の係をやるかという話で盛り上がって。ちなみに私は、船尾で敵が来ないか見張る係兼剣士です。

麻倉:私はどこかの国のお姫様で、その正体はまだ誰も知らないという設定でした。

夏川:そして私は船長の肩に乗っているオウム。生意気なことを言って、みんなをちょっとイラッとさせる(笑)。

――次に目指すのは15周年だと思いますが、15周年に向けた展望などありますか?

雨宮:まずは、10月に控えている『LAWSON presents TrySail Event 2026 コワイセイルのTrick運動会』を成功させたいです。10周年イヤーをいっぱいお祝いして、いろいろなことをやって、その次にやることが運動会というのもTrySailらしくて(笑)。

麻倉:ハロウィンも兼ねているんです。10月にある楽しいイベントを全部くっつけちゃえ!みたいな。まだ内容は、なにも決まってないけど、当日は、お客さんと直接戦えたらいいよね。

夏川:私たち3人VSたくさんのお客さんだけど、大丈夫?

雨宮:私たちのマッスルをなめてもらっちゃ困ります(笑)! 「Cheers and Cheers!!!」の歌詞にもある通り、真剣にふざけることを積み上げてきた私たちですから。それをさらにパワーアップして、みんなと楽しめたらいいなと思います。

――15周年の時は?

夏川:まだ全然マッスルしていると思います(笑)。

雨宮:メンタル曲も増やして、心身ともに強くなっているんじゃない?

麻倉:メンタル曲で、もっともっと深く落ちた表現に挑戦してみたい気持ちもあるし。マッスル曲もさらに鍛えて、レンジを広げていきたいですし。

夏川:何より3人が健康で、ケガなく15周年を迎えたいですね。「おまえら健康でいような!」(海賊風)

麻倉・雨宮:オー!(海賊風)