ICC検察局トップのカーン主任検察官を性加害疑惑で解任…プーチン氏やネタニヤフ氏に逮捕状、追及姿勢後退の可能性も
【ブリュッセル=上杉洋司】国際刑事裁判所(ICC)の締約国会議は24日、特別会合をニューヨークで開き、賛成多数で検察局トップのカリム・カーン主任検察官を解任した。
カーン氏は女性職員への性加害疑惑が浮上し、調査が行われていた。
加盟125か国・地域のうち、82が解任に賛成した。カーン氏に「重大な不当行為」があったためとしている。疑惑はカーン氏が部下の女性職員に約1年にわたって同意のない性的関係を強制したとの内容で、2024年以降、複数の欧米メディアが報じていた。カーン氏は疑惑を否定している。
報道によると、国連の監査機関が24年11月〜25年12月に行った調査で、疑惑を裏付ける証拠があると指摘したが、外部の専門家委員会は法的な証拠が十分でないとの見解を示していた。
ICCは、ロシアのウクライナ侵略とパレスチナ自治区ガザでの紛争を巡り、プーチン露大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に戦争犯罪容疑で逮捕状を出している。いずれもカーン氏が申請したもので、現職の国家指導者にも責任追及の手を緩めない姿勢を示してきた。解任によって検察局の指揮体制が揺らぎ、こうした追及姿勢が後退する可能性も指摘されている。
ベネズエラがICC脱退表明…捜査が「偏向的だ」
【リオデジャネイロ=南部さやか】南米のベネズエラ政府は24日、国際刑事裁判所(ICC)から脱退すると表明した。脱退理由について、ICCの捜査が新興・途上国「グローバル・サウス」に集中し、「偏向的だ」と主張している。
フェリクス・プラセンシア外相はSNSへの投稿で、脱退について「断固で撤回不能な決定」だとし、デルシー・ロドリゲス暫定大統領の指示で、国連に通告したことを明らかにした。
ベネズエラは今年1月、米軍の作戦で反米左派のニコラス・マドゥロ大統領が米国に連行され、暫定政権が発足した。米国は今月、ICCの解体に向けて加盟国に脱退を促す方針を示しており、ベネズエラにも働きかけた可能性がある。

