治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【全国初摘発・沖縄】えっ、自分の口座のお金を送金して犯罪に!?元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、自分の口座から別口座へお金を送金しただけで犯罪に問われた全国初の摘発事例を取り上げ、マネーロンダリングの新たな手口と、安易な副業感覚が招く危険性について警鐘を鳴らしている。

小比類巻氏は、沖縄県警によって摘発された40代女性の事件を紹介。女性はSNSで知り合った人物からの指示で、自分の口座に振り込まれた約175万円を別の口座へ37回に分けて送金したという。報酬を得る約束で「短期アルバイト」のつもりだったが、不審に思った金融機関に口座を凍結され、自ら警察に相談したことで事件が発覚。結果として、犯罪収益移転防止法違反の疑いで書類送検された。

この事件の背景について、小比類巻氏は「資金洗浄(マネーロンダリング)」の手口の変化を指摘する。従来は犯罪組織が他人の口座を買い取って利用していたが、取り締まりの強化により、名義人本人に口座を管理させたまま送金操作をさせる手法へと移行しているという。これを防ぐため、新たに同法で送金行為そのものが処罰の対象となった。

女性は「犯罪に加担しているとは知らなかった」と供述しているが、小比類巻氏は刑法の規定に触れ、「法律を知らなかったとしても、そのことによって罪を犯す意思がなかったとすることはできない」と断言。さらに、銀行やスマートフォンには入出金や通信の客観的な記録が完全に残るため、言い逃れは不可能だと解説した。

最後に小比類巻氏は、犯罪で得た資金と最終的に利用する口座とのつながりを隠すための「資金洗浄の実行役をさせられる恐ろしい現実」を強調。わずかな報酬と引き換えに、見知らぬ相手からの指示で資金を動かす行為は、確実に犯罪への加担となるとして、視聴者に強い注意を呼びかけた。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。