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 ◇大相撲名古屋場所10日目 ○尊富士(寄り切り)千代翔馬●  ○朝乃山(寄り切り)藤青雲●(2026年7月21日 IGアリーナ)

 両横綱が4敗を喫し、優勝争いから後退していく中で、幕内優勝の経験がある平幕2人が2敗で食らいついている。

 元大関の朝乃山と史上2人目、110年ぶりの新入幕Vを飾った尊富士だ。

 尊富士は千代翔馬を圧倒した。相手の立ち合いの張り手をものともせず左を差して一気に前に出た。元々、前に出るスピードと馬力には目を見張るものがあった。しかし右足、左胸、右腕と相次ぐケガでその威力が少し影を潜めていた。それが今場所はだいぶ良い時の状態に取りつつある。左四つの型を持っていて、その形になると鋭さが増す。

 一方の朝乃山も右四つの形になると強い。

藤青雲戦は左でおっつけ上手を引いて、右を差すと難なく寄り切った。先場所は左足のケガで途中休場したものの、今場所はその影響を感じさせない力強さを見せている。

 年齢を重ねていく中で、うまさも身につけている。右を差せなくても形にこだわらず、はずを押しながら前に出て、勝負の流れを引き寄せている。

 あす11日目はその2人が優勝争いの生き残りを懸けて対戦する。終盤戦は星のつぶし合い。お互いに実力者だから、期待にたがわぬ相撲を取ってくれるはず。立ち合いの当たりと、その後の攻防が見ものだ。勝った方が、終盤戦を盛り上げる面白い存在になっていきそうだ。(元大関・栃東