「なぜ伊東純也をベンチに残しておかなかったのか」イングランドの交代策を見て改めて疑問に感じたブラジル戦の起用法【W杯】
注目したのが、イングランドの交代策だ。ハーフタイムに、ともに不調だったボランチのデクラン・ライスと右サイドハーフのノニ・マドゥエケをスパッと替え、エベレチ・エゼとブカヨ・サカを投入したのだ。
さらに、リース・ジェームズはボランチ→右SBでフィジカルを活かした守備を見せ、左SBに投入されたジェド・スペンスは左サイドを活性化、モーガン・ロジャーズは決勝点を呼び込むミドルシュートを放つなど、途中出場組がそれぞれに役割を果たした。
エースのハリー・ケインは試合後、「こういう時こそ、選手層の厚さが求められる。固定メンバーで戦えると思いがちだけど、実際はそうはいかない。出場停止や怪我、疲労といった問題が必ず出てくるからね。だからこそ、普段あまり出場機会がない選手たちの出番が重要になる。今日、途中出場した選手たちは、本当に大きな違いを生み出してくれた」と話し、バックアッパーの重要性を強調していた。
途中投入の選手たちが活躍するイングランドを見て改めて感じたのが、日本代表のブラジル戦(1−2)の選手起用だ。
「やはり伊東純也は、ベンチに残しておいたほうがよかったのではないか」
もちろん、あの時点でベストメンバーを組むなら伊東はスタメンだ。だが、控えに残しておけば、途中出場で必ず流れを変えてくれる。この33歳のアタッカーがベンチにいるだけで、劣勢になっても「まだ挽回できる」という気持ちにさせてくれるのだ。
だが、ブラジル戦では伊東を先発起用したことで、ベンチに切り札がなくなってしまった。結果、1−1の状況でも守備的な交代で守り切るしか策がなかった。
伊東の代わりに誰を使うべきだったのかというと、また難しい問題だが、田中碧をボランチで起用し、鎌田大地を左シャドーに回すしか手はあっただろう。鎌田がボランチに入らないと、ビルドアップでボールがスムーズに回らない可能性もあるが、上手くいかなければ、下りてきてゲームメイクをするなど手段はあったはずだ。
賛否はあるかもしれない。それでも、あえて言いたい。「なぜ伊東をスーパーサブとして残しておかなかったのか」と。
取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)
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