山形鉄道が運行する「フラワー長井線」

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 経営の厳しいローカル線を運行する複数の鉄道事業者が、クラウドファンディング(CF)で集めた寄付金が期限を過ぎても入金されないトラブルに見舞われている。

 同じCFサイトを利用し、未入金額は4社で約2000万円。各社は支援者の厚意がないがしろにされているとして対応を協議している。サイトは4月から閲覧出来ない状態で新規の受け付けは停止している。

 問題のサイトは「うぶごえ」。東京都内の同名企業が5年前に開設した。多くのCFサイトと異なり、寄付する側が手数料を負担する仕組みのため、支援を呼びかける側は寄付金から手数料を引かれず、全額受け取れるのが特徴だ。

 3年前には鉄道雑誌の発行元と業務提携。鉄道事業者の課題解決をサポートするとうたい、老朽化した車両の修繕費を募るCFなどで実績もあった。だが、4月中旬、公式SNSに「サーバーがダウンした」と投稿。サイトは現在も復旧せず、事務所のあった渋谷区内のビルからも荷物を残したまま無断で退去していた。CFの告知に協力してきた鉄道雑誌も6月に提携解消を発表した。

 利用者減で赤字経営が続く第3セクター・山形鉄道(山形県長井市)は昨年10〜12月、経営改善の資金を募るCFを実施。約785万円が集まったが、期日の1月末を過ぎても約700万円が入金されなかった。

 2月にうぶごえの岡田一男社長が来社し「資金繰りが苦しく今は払えないが、必ず全額支払う」と約束していったが、その後に設定された期日も何度もほごにされた。支援者への返礼品の提供は自社の負担でほぼ済ませたが、現在、弁護士と対応を協議中という。地元で鉄工所を経営し、10万円を寄付した70歳代の女性は「山形鉄道を応援したくて寄付したのに許せない」と憤る。

 長良川鉄道(岐阜県関市)も昨年10〜12月、今春導入した新車両のグッズ製作費などを募り、194人から計約244万円が寄せられた。だが、5月までに3度設けられた期日に入金はなく、6月下旬にうぶごえ側が来社した際に約束した「月内に50万円の入金」も守られなかった。法的措置も検討しており、佐々木綱行・運輸部長は「支援者の気持ちが届いていない状態だ」と語気を強める。

 ラッピング列車の製作費用を集めるためにCFを行った北越急行(新潟県南魚沼市・寄付額計約415万円)と電気機関車の修理費用をCFで募った弘南鉄道(青森県平川市・寄付額計約597万円)でも入金期日が守られず、現在も振り込みがない状態という。

 うぶごえでは鉄道以外のCFも行われており被害は広がる可能性がある。読売新聞は6月から7月にかけて岡田社長にメールで3度、取材を申し込んだが、体調不良を理由に期限までに回答しなかった。