(第8試合)
○カロ・パリシャン
判定3−0 30−27、30−27、29−28
×ジョシュ・バークマン

ウェルター級サバイバル・ウォー、TUFシーズン5に出演しているアルマン・ガーバンリャンとティト・オーティズ、そしてアルメニア国旗を従え、入場したパリシャン。額を合わせた睨み合いに応じたバークマンが、いきなりストレートをヒットさせるが、パリジャンも負けじとパンチを返す。

両者、ガードを忘れたかのような単発の打ち合いを見せると、落ち着きを取り戻したかのように互いに距離をややとるようになる。カウンターの右を当てたパリジャンだが、バークマンも負けじと拳を打ち返す。パリジャンの左ミドルをキャッチしたバークマンが、テイクダウンに成功。試合は初めてグラウンドへもつれ込んだが、パリジャンはニーキックを受けないように立ち上がる。タックルを仕掛けたバークマンをパリシャンは豪快な大外狩りで投げ捨てる。再び試合をスタンドへ戻ると、バークマンは片足タックル。アームロックの態勢に入るパリシャンを、そのままの状態で持ち上げたところで、1Rが終了。期待に違わぬ激しいファイトを両者が展開した。

 やや口を空け気味のバークマンに、バリシャンはボディをヒットさせる。弱冠、動きが落ちように感じるバークマンだが、それでも積極的に前に出て、ついに右をヒットさせる。お返しの右をヒットさせたパリシャン、バークマンはパンチを振るうものの体の軸が乱れてきた。くみついて、パンチを重ねたパリシャンが、明らかに2Rを支配する。ロー、ハイキック、肩で大きく息をし始めた。一発の強さを警戒するパリジャンは、慎重に攻め続け、ラウンドが終了。パリシャン優位が明らかなラウンドとなった。

 一発を当てて、逆転勝ちを狙いたいバークマンに余裕の笑みを返したパリシャンだが、パンチを顔面に受け鼻血を滴らせる。ついに両足タックルでテイクダウンを奪ったバークマンは、パリシャンの頭をケージに押し込む。腕十字をしかけたパリシャン、顔面はがら空きになるが、ここで立ち上がることに成功する。アームロックの態勢から、そのままバークマンの投げるバリシャンにも、ついに疲れが見えてくる。残り時間1分、単発の打撃戦、距離の遠いバークマンのタックルも決まらない。拳が上がらなくなり、タックル一本槍となったバークマンだが、テイクダウンを奪えない。終盤、ガスアウトが見られたが、両者、死力を尽くし戦い抜いた3R=15分、ジャッジは3−0でパリシャンを支持した。

「コンディションが良かった。ダナ(UFC社長)、タイトル挑戦のチャンスを与えてくれ」とオクタゴン内からアピール。王者マット・セラ、元王者マット・ヒューズ、前王者ジョルジュ・サンピエール、さらにジョシュ・コスチェック、UFC無敗のジョン・フィッチも控えるウェルター級。果たして、勝者にタイトル挑戦のチャンスを巡ってくるのだろうか。ランキングのないUFC、PPV大会のセミファイナルでの勝利は大きくファンにアピールできたことは違いないが――。

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