国旗には、人々が大切にしている思いや歴史が描かれている

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太田出版刊『いつの間にか覚えてる! 世界の国が好きになる国旗図鑑』が大好評につき増刷決定、重版出来となりました!

同書著者の小林知之さんは太田プロ所属のお笑いコンビ・火災報知器で活躍されつつ、生来の”地図/地理愛”を活かした著書も出版されている「地図・地理芸人」でもあります。

そんな小林さんによる本書は、世界各国の国旗のデザインにどのような意味や理由があるのか、また国旗の絵柄やモチーフにはどんなパターンがあるかを解説した、楽しく学べる一冊となっています。

様々な国の国旗を一度に目にできるサッカーW杯とあわせて読めば、ひとつひとつの国の解像度もぐっと上がること請け合いです!

今回は、増刷を記念して本書の「はじめに」と一部ページの抜粋をOHTABOOKSTANDに掲載します。

はじめに

 ようこそ国旗の世界へ!

 国旗ってなんだか難しそうって思ってないかな? 大丈夫! なぜなら、この本は覚えるんじゃなくて楽しむ本だから。それなのに、いつの間にか国の名前を覚えちゃってる不思議な本だよ。

 だから「国旗ってなに?」「国旗なんて多すぎて覚えられない!」「国旗博士です!」そんな誰でも、みんながよーいドンで一緒に楽しめる本になっているよ。

 世界にはほんとうにいろいろな国旗がある。シマウマやライオンが隠れてる国旗、中学生や美術の先生が考えた国旗、国の位置がわかる国旗、銃や斧が描かれた国旗、言葉の書いてある国旗……その国で暮らす人たちが大切にしているものや思い、風景や物語や伝統が描かれているんだ。

 だから国旗を知ると、その国のことも知れて、好きになる。国旗を知ることは、その国を好きになる第一歩だと思っているんだ。知らないとなかなか好きになれないもんね。

 自己紹介するね。ぼくは5歳の娘がいる、国旗が大好きなお笑い芸人。小学生の頃から国旗が好きで、自分で世界の国旗を工作して遊んだりしていたんだ。だから大人になって、好きなことを仕事にしたいと思って、芸人のほかに、地図を作る会社でも働いてる。

 国旗のカードゲームのアイデアを考えたり、みんなと国旗や地図のおもしろさをTwitterで発信したり、おしゃべりするイベントをしたり。おもしろさや楽しさを伝えるって意味では、やってることはお笑い芸人とそんなに変わらない。

 だからみんなにも、国旗を楽しんでもらいたいと思ってる。

 ぼくはこれまで、アメリカやフランス、ケニア、バングラデシュなどなどいろいろな国の人たちと話してきたけど、みんな、自分の国の国旗をよく知ってるんだ。

「ケニアの国旗の盾と槍って、マサイ族のシンボルなんですよね?」なんて話しかけると「そんなこと知ってくれてるなんてうれしい!」ってすぐに仲良くなれる。国旗ってすごいよね!

 そんな国旗の楽しい部分が少しでも伝わって、みんながいま暮らしている世界をちょっと好きになってくれたらうれしいなと思って、この本を作りました。ぜひぜひ最後まで楽しんでください。

小林知之

世界の国旗に最も影響をあたえました

 「トリコロール(三色旗)」と呼ばれ世界でも人気のあるフランスの国旗だよ。人気の理由は、市民が力を合わせて王政を倒した「フランス革命」に関係があるんだ。このフランス革命を起こしたパリの市民が「青(自由)・白(平等)・赤(友愛)」という色を選んだ。

 青と赤はパリ市のシンボルカラーで白はフランス王家の色でもあったから、「国民と王家で仲良くやっていきましょう!」という意味も込めて、白の王家をパリ市のシンボル青と赤ではさんだんだ。この考え方が、世界中の国旗に影響をあたえているよ。だから世界には三色の縦じまの国旗がたくさん! 横じまも合わせるとさらに多くなるよ

記念日を大切にする国旗界隈イチのロマンチスト

 白帯に文字が書いてあるのがわかるかな? これはポルトガル語で「秩序と進歩」と書かれているんだ。そして真ん中に描かれている、地球のようなものは南十字星を中心にした星空。

 この星空はブラジルが共和制になった記念日の星空なんだ。それが1889年11月15日8時30分のリオデジャネイロの空を外側から見た星空になっている。

 設定が細かい! 記念日を大切にする人はいるけど、時間、ましてや分までおぼえている人はなかなかいないよね。ロマンチスト! 空に描かれている星は27個。これは26の州に首都ブラジリアを加えた数だよ。「サンパウロ州なら、南十字星」というように、それぞれの州ごとに星が決まっているんだ。

国土を国民の血で守る?

 黄色を赤ではさんだスペイン国旗。このデザインにはちょっと怖い意味が込められていて、「国土(黄色)を国民の血(赤)で守ろう」ということなんだ。

 スペインは5つの王国が合併してできた国だから、国旗は5つの王国の紋章が組み合わさったデザインになっているんだ。

 ここまでで文字は登場してないよね? どこに文字があるかな? 実は2本の柱にかけられているリボンに「より彼方へ」と書いてあるんだ。そしてこの文字がかけられている2本の柱はヨーロッパとアフリカ、両方の大陸の架け橋となる場所を表しているんだよ。

フュージョン! 力を合わせて進んでいこう!

 ユニオンジャックとも呼ばれ、世界でも人気のあるイギリス(正式名称:グリートブリテンおよび北アイルランド連合王国)の国旗は、フュージョン(融合)をくり返してできあがった。

 イングランドとスコットランド、そして北アイルランドの3つの国旗でできているよ。まずはイングランドとスコットランドの国旗を合体させて、グレートブリテンの国旗ができた。

 そしてグレートブリテンに当時のアイルランドの国旗を合体させて、現在のイギリスの国旗になった。ただイギリスにはもう1つウェールズという国がある。ウェールズの国旗は見てわかる通り、3つの国とはあきらかにタイプが違う。そこには複雑な歴史が関わってる。

書誌情報

『いつの間にか覚えてる! 世界の国が好きになる国旗図鑑』
著=小林知之
監修=吹浦忠正
価格:1300円+税
仕様:四六判/168ページ  

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Credit:
文=小林知之、監修=吹浦忠正