「フェイクファー」という言葉には、やわらかな手触りと同時に、“本物ではない”という少し複雑なニュアンスが含まれています。温かく見えるのにどこか冷たさも感じさせる、その曖昧な質感は、現代的な感情や人との距離感にもどこか似ています。音楽の世界でも「フェイクファー」は、おしゃれで都会的なイメージだけでなく、飾られた感情や不安定な関係性、強がりの裏側にある孤独を象徴するモチーフとして使われてきました。華やかなサウンドに隠れた切なさを描く曲もあれば、冬の空気のような静けさをまとった楽曲もあり、その表現はさまざまです。同じ「フェイクファー」という言葉でも、アーティストによって映し出される景色は大きく異なります。今回は、そんな「フェイクファー」というタイトルを持つ楽曲の中から5曲を紹介します。やさしい手触りの奥にある感情の揺らぎを、ぜひ感じてみてください。

●スピッツ「フェイクファー」

●DOGADOGA「フェイクファー」

●天国旅行「フェイクファー」

●ハンブレッターズ「フェイクファー(純MIX)」

●ゆれる「フェイクファー」


(written by 山崎健治)