@AUTOCAR

写真拡大 (全4枚)

ステランティスのブランド再編

オペルは、英国子会社であるヴォグゾールに対し、モデルを改良するための技術的な裁量権を拡大する。設計の自由度を高めることで、ブランドのオリジナリティを強める狙いだ。

【画像】英国の人気車種トップ10に入る主力クロスオーバー【ヴォグゾール・フロンテラを詳しく見る】 全25枚

オペル/ヴォグゾールをはじめ、アルファ・ロメオ、シトロエン、DS、フィアット、ランチア、プジョーといった複数の欧州ブランドを傘下に持つステランティスは、最近、新戦略を発表した。今後の投資の大部分を、業績好調な4つのグローバルブランドに集中させるというのだ。


ヴォグゾール・フロンテラ

プジョー、ラム、ジープ、フィアットについては、「多地域での展開」により「最大の規模と最高の収益性ポテンシャル」を有しているとして期待を寄せる一方で、DSとランチアについては、それぞれの本拠地であるフランスとイタリアに焦点を当てた「スペシャリティブランド」として位置づけた。

ステランティスのこの動きは、広範なポートフォリオの合理化を目的としているように見える。しかし、オペルのフロリアン・ヒュットル社長は、英国発祥のヴォグゾールブランドが引き続き「極めて明確な」役割を担い、過去40年以上にわたり販売されてきたモデルよりも、今後はさらに独自性を強めていくと述べている。

明確なアイデンティティと役割

ヴォグゾールは、1970年代初頭にドイツのオペルと事実上合併して以来、独自の車両を生産しておらず、ほぼ英国国内でのみ事業を展開してきた。英国で販売するモデルはいずれも、オペル車とほぼ同一だ。そのため、ブランドとしての独立や存続可能性に疑問の声が上がっていた。

しかし、ヒュットル氏はAUTOCARの取材で、ステランティスの新しい組織体制においてヴォグゾールの居場所が残されているかとの問いに対し、「オペルとヴォグゾールは、グループ内で非常に明確なアイデンティティと役割を持っています」と述べた。


ヴォグゾール車とオペル車の違いは、これまでほとんどなかった。

これは、ドイツでのオペルの販売実績や、『コルサ』と『フロンテラ』がともに人気車種トップ10にランクインしている英国での実績を反映したものだという。

劣悪な道路状況に合わせた設計に

さらにヒュットル氏は、競争力を高める一環として、ヴォグゾールのエンジニアリング面での役割を拡大していくと語った。英国では現在、きょうだいブランドであるプジョーに販売台数で後れを取っている。

「オペルとヴォグゾールの重要性に疑いの余地はありません。今後、適切な時期に改めて皆様にお伝えしたいのは、ヴォグゾールが英国市場に向けてより一層の差別化と適応を図れるよう、さらなる可能性を提供していく意向だということです」


ヴォグゾール・モッカ

「オペルは、ヴォグゾールのチームと共同で具体的なプロジェクトを進めています。特にシャシーの仕様に関して、わたし達の求めるスペックに明確に合致するよう取り組んでいます」

ヒュットル氏のこの発言は、ドイツに比べてはるかに劣悪な英国の道路状況を指していると思われる。

ヒュットル氏は具体的な改良の内容や、どのモデルから影響を受けるのかについては言及を避けたものの、「英国のお客様の具体的なニーズ」に応えるべく尽力していることを強調した。