大学進学を控えた孫がいます。祖父母として教育資金400万円を援助した場合、贈与税がかかってしまいますか?
教育費を「必要な都度」支払うなら贈与税はかからない
祖父母がお孫さんの教育費を負担する場合、必ずしも贈与税がかかるわけではありません。扶養義務者(親や祖父母など)から、教育費や生活費として通常必要と認められる金額を、「必要な都度」渡す場合は、現在も非課税とされています。
たとえば、大学の入学金や授業料を支払う時期に、祖父母が学校へ直接振り込む、あるいは親や孫に必要額を渡してすぐに支払いに充てるようなケースです。このように教育費として使う目的が明確で、実際にその目的ですぐに使われるのであれば、400万円という金額であっても課税されにくいと考えられます。
ただし、非課税なのは「今必要な分」のみです。将来を見越して数年分や1年分をまとめて渡すと、教育費ではなく「資産の移転(貯蓄)」とみなされ課税されるおそれがあります。
文部科学省の初年度学生納付金等の調査結果によれば、2025年度の私立大学(学部)の初年度納入金の平均額は150万7647円です。この金額は授業料、入学料、施設設備費、実験実習料、その他が含まれた合計額の平均です。
医学部など一部をのぞき、私立大学の初年度学費で400万円かかるケースは多くはありません。実費を大幅に超える援助は通常の贈与扱いとなる可能性があるため注意しましょう。
大切なのは「将来の分までまとめて」ではなく、「今必要な分」をその都度応援することです。
「教育資金の一括贈与非課税制度」は2026年3月末で終了
これまで最大1500万円までの一括贈与が非課税になる制度が注目されてきましたが、2026年3月31日をもって、この特例の新規受付は終了しました。そのため、2026年4月1日以降は、新たに金融機関で専用口座を開設して400万円を一気に入金する、といった方法は利用できなくなっています。
ただし、2026年3月末までにすでに開設された口座については、制度終了後も引き続き非課税で使い続けることが可能です。お孫さんが30歳に達するまでの間であれば、これまで通り領収書を提出して教育費として引き出すことができます。
もし既存の口座に資金が残っている場合は、お孫さんの進学予定に合わせて計画的に使い切るようにしましょう。30歳時点で残額がある場合は贈与税の対象となるため注意が必要です。
400万円をまとめて渡す場合は「基礎控除」に注意が必要
一方で、400万円という現金を、具体的な支払いのタイミングを待たずにお孫さんの普通預金口座へ振り込んでしまうような場合は注意が必要です。教育費としてすぐに使われず、口座に「貯金」された状態になると、それは通常の贈与とみなされ、贈与税の対象になる可能性があるからです。
贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、これを超える金額を一度に渡すと、原則として税金が発生します。400万円をそのまま渡すと課税対象になるおそれがあります。
安心して援助するには「授業料の支払い時期に合わせて、その金額を支払う」という形をとるのが最も確実です。また、学校への振り込み控えや領収書をしっかりと保管し、教育費に使った証拠を残しておくと将来にわたって安心です。
まとめ
祖父母がお孫さんに大学進学費用として400万円を援助する場合、「必要な時に、必要な分だけ直接支払う」形であれば、特例制度が終了した現在も非課税で応援することができます。かつてのような「一括での先渡し」という選択肢はなくなりましたが、都度支払うという確実な非課税枠は健在です。
お孫さんの新しい門出を祝う大切な資金が、渡し方一つで目減りしてしまわないよう、支払い実態を明確にすることがポイントです。もし多額の援助や、相続対策も含めた資産移転を検討される場合は、事前に税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

