「目の前で14歳少年が死亡」「素手で瓦礫撤去」地震被害甚大のベネズエラ人男性が嘆いた“現地の悲惨”と政権批判 《数万人規模の死者予測も》
「被害は本当に甚大です。私の友人の義母と姉妹は、(首都カラカス近郊の)ラグアイラで亡くなりました。彼女たちがいた建物は完全に倒壊し、現在も行方不明とされていますが、生存の望みはもうないでしょう……」(20代ベネズエラ人男性)
【写真を見る】集合住宅が雪崩のように完全に倒壊し、被害の大きさを物語っている
南米ベネズエラで6月24日に発生したマグニチュード7超の連続地震では、これまでに死者が1700人以上に上ることが判明した。しかし、いまだ4万人以上の消息が分かっておらず、捜索活動が続いている。
「自国のみならず、アメリカを中心に30か国ほどから救助隊員が派遣されています。現地の写真を見ればわかるように、建物が粉々になっているケースも少なくなく、被害の大きさを物語っています。
地震を受けて作成された民間の安否確認サイトでは、日本時間の30日正午時点で4万3549人と連絡が取れていないとして、顔写真などと共に登録されています」(大手紙国際部記者)
生存率が大きく下がる「発災から72時間」を過ぎている状況で、ベネズエラではなぜこれほど多くの行方不明者が出ているのだろうか。
「まずは倒壊した建物が非常に多いことが挙げられます。ベネズエラでは耐震基準自体はありませんが、これまでの経済危機などで、古い建物で補修されないまま放置されることも多かったのです。さらにセメントや鉄筋などの建設資材も不足し、鉄筋が通常より少ない建物もあったとされています」
被害を拡大させた要因は、建物の脆さだけではない。
「倒壊した建物からの救出には、ショベルカーやクレーンといった重機が不可欠です。しかし、ベネズエラはそれらを海外からの輸入に頼る必要があります。人命救助につながる設備投資を怠ってきた結果、重機不足による救出の遅れも指摘されています」(同前)
ロイター通信も、現地の惨状を伝えている。19歳の息子が瓦礫の中に残されながらも、重機がなくて助け出せないと嘆く母親。そして、救助のために瓦礫を素手で掘り起こそうとする住民たち。
ベネズエラといえば、2013年に大統領に当選したマドゥロ氏の存在が記憶に新しい。反米路線を継続して国内に経済混乱を引き起こし、今年1月に米軍の特殊部隊に拘束された。
冒頭の20代のベネズエラ人男性は、周囲の悲劇を明かした上で、この混乱はマドゥロ氏らの政権運営が招いた"人災"だと厳しく非難する。
「救出を待っている間に亡くなった人たちがたくさんいます。瓦礫の中から上半身だけが外に出た14歳の少年が、そのまま亡くなってしまったニュースを見ました。本当に痛ましいものです。あの連中が政権を握ってからの30年で、この国はあまりにも大きな遅れをとってしまった」
こうした国民の批判を意識してか、現在の政府トップは救出がうまくいったケースなどを積極的に発信している。しかし、男性の怒りは収まらない。
「今のデルシー・ロドリゲス大統領代行も、兄のホルヘ・ロドリゲス国民議会議長も、元々はマドゥロと一緒に政権を運営していた側の人間です。まさに黒幕とも言える人物で、彼らはこの国をダメにした一員ですよ」
一方で、男性は国際社会からの支援に希望も見出している。
「でも、事態は大きく変わっています。再びアメリカとの同盟を取り戻し、救助を受けられている。他の国の皆さんも含めて、多くの国際社会からの支援があることはとても素晴らしいことです」
男性が言うように、メキシコやコロンビア、エルサルバドルなどの救助チームが少年らを救出するケースも報じられている。最後に、男性は日本への思いを口にした。
「ベネズエラで地震があった日、日本でも地震があったことがこちらでも報じられています。日本は大きな地震から立ち直った国。ベネズエラもそれに倣いたいです」
多くの行方不明者の捜索が進むことを願うばかりだ。
