ダルトン・インベストメンツのHPより

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フジの一件

 今年も株主総会の季節がやって来た。今回の注目は米系の「ダルトン・インベストメンツ(以下・ダルトン)」だという。

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 証券会社幹部が解説する。

「一昨年暮れ、フジテレビでセクハラ被害(中居事件)が発覚すると、ダルトンはフジ・メディア・ホールディングスを買い増して、持ち株は7%超に達しました。そして村上ファンドなどと共に不動産事業の売却と、売却して得た資金による大規模な自社株買いなどを求めている。結果的にフジは、虎の子ともいえるサンケイビルを手放すことになったのです」

折り返し出資

 この一件でダルトンは一躍名前を知られるようになったのだが、目下、フジの他にも十数社の株を保有している。中でも20%を超えて買い進めているのが、文化シヤッターと婦人薬に強いあすか製薬だ。どんな作戦でくるのだろうか。

ダルトン・インベストメンツのHPより

「ダルトンは両社に株式の非公開化を迫っているのですが、その際に自らが再出資することを条件にしています。これは“折り返し出資”と呼ばれ、非公開化でいったんダルトンは高値で株を売り抜けるのですが、将来の再上場の際にも株を売って再び利益を得ることを狙うというものです」(前出の証券会社幹部)

 やられる会社からすれば2度も利益を吸い上げられるわけで、たまったものではない。あすか製薬も腹に据えかねたのか、昨年8月付の文書で、ダルトンと同社CFA兼創立者のジェームズ・ローゼンワルド氏の個人会社が大麻の製造販売を生業とする「グラスハウス・ブランズ」に出資している事実を取り上げ、麻薬ビジネスに資金提供するファンドが日本の製薬企業に投資する影響をどう考えているのかと逆質問している。

エプスタインへのメール

「それだけではありません。ローゼンワルド氏は、性犯罪で摘発され獄死したジェフリー・エプスタインとの間のメールも取り沙汰されています。二人は私立のダルトン校で教え子と教師の関係で、ニューヨーク大学の先輩後輩でもある。同大学が発行する新聞によると、2015年にローゼンワルド氏はエプスタインに経済的成功を称賛するメールを送っており、これはエプスタインが性犯罪で告発された1週間後のことだったとあります」(前出の証券会社幹部)

 そこでダルトンに聞くと、

「ご指摘の大麻関連企業『グラスハウス・ブランズ』はカナダの証券取引所に上場している企業であり、適法に運営がなされております。弊社、ローゼンワルドは、ジェフリー・エプスタインが教師を務めていたダルトン・スクールに通っていました。ダルトン・スクール在籍時を除き、ローゼンワルドはジェフリー・エプスタインと個人的な関係も仕事上の関係も一切ありません」

 つまり自分のことはノープロブレム。日本の会社も手強い相手ににらまれたものである。

「週刊新潮」2026年6月18日号 掲載