家具を大きく減らさなくても、置き方を工夫するだけで部屋は広く見せられます。ここでは「リビングを広く見せるコツ」をご紹介。2児の母で整理収納アドバイザー1級のYUKAさん(40代)が、部屋づくり相談を受けたお客様(3LDK・4人家族)の片付け事例をもとにお届けします。

狭く見える原因は「家具の量」だけではない

インテリアの置き方についてご相談くださったのは、3LDK68平米・4人家族のお客様。

【AFTER写真】お客様宅のリビング

・全体的に部屋が野暮ったく、窮屈に感じる
・ソファやテレビの位置がしっくりこない
・どんなラグや小物を置けばいいかわからない

ことに悩まれていました。

この原因、じつは家具の量だけではありません。ものの置き場所が向いていなかったり、家具の高さがバラバラだったりすると、部屋が細かく分断されて圧迫感につながることも多いのです。

ですので、家具を大きく減らさずに「目線がどう移るか」を心がけながら整えました。

1:部屋の対角線上におしゃれな小物を置く

人は部屋に入ると、自然と対角線上にあるものへ視線が向かいます。この「目がいく場所(フォーカルポイント)」には、背の高い植物やライト、鏡などを置くのがおすすめ。部屋に奥行きが生まれ、メリハリのある空間に生まれ変わります。

お客様宅ではフロアライトや鏡を配置しました。テレビがリビング正面にあると無機質な印象になりやすいですが、このひと工夫で空間にやわらかさや抜け感が生まれました。

また、つり下げ植物などで“上の空間”も使うことで、床を圧迫せずに空間の寂しさも埋められますよ。

●テレビはあえて向かい合わせにしなかった

テレビとソファは向かい合わせに配置することが多いですが、今回はあえてアレンジ。お客様が望むリビングは、テレビを観るためというよりも、リラックスすることを求めていたからです。そのおかげで、ラグからほどよい距離感でテレビを観られるようになり、ソファ自体はくつろぐために使えるようになりました。

家具配置には「正解」がないので、その家でどう過ごしたいかに合わせることが大切だと感じています。

2:明るいラグをとり入れる

大きな面積を占めるラグは、家具と同じくらい部屋の印象を変えるアイテムです。ここでは明るめのサンドベージュ系ラグをご提案しました。明るい色には膨張効果があるため、空間を広く見せてくれるのです。

また、ラグを敷くとダイニングとリビングに自然と境界ができるのもポイント。食事をする場所とくつろぐ場所を視覚的にも心理的にも分けられます。

ちなみに、低反発やキルティングなどの“寝具っぽさ”の強いラグは注意。ややチープな印象に映りやすいので、空間とのバランスを見ながら選ぶのがおすすめです。

3:あえて長いカーテンにしてみる

部屋を整えるときは家具や収納に目がいきがちですが、じつはカーテンも印象を大きく左右します。私は部屋の“空間がまとまって見えるか”を大切にしています。

たとえば、写真のようなカーテンなしの部屋。窓がある部分とない部分のコントラストでシャープな雰囲気に見えます。しかし、窓だけ周りから浮いているように感じることも。

そこでわが家では、子ども部屋の腰高窓にはあえて長いカーテンを選びました。床までつなげることで“壁の一部”のように見せ、空間のまとまりがよくなると思ったからです。

実際、部屋全体がやわらかい雰囲気になるので、多少オモチャが床に転がっていてもなじみ、心地よい雰囲気になりました。

もちろん、短いカーテンの方がすっきり見える場合もありますが、“どうなじむか”を意識して選んだことで、部屋全体が落ち着いて見える気がしています。

●空間が整うと、暮らし方まで変わる

実際にお客様からは、「なぜか散らかりにくくなった」「ほかの部屋も掃除したくなった」「欲しいインテリアが見つけやすくなった」といううれしい感想をいただきました。

部屋づくりは、ただおしゃれに見せるためだけではありません。視線や配置を整えることで、暮らしや気持ちまで変わっていくのだと改めて感じています。