カニの身を美しく剥くにはそれなりの工夫がいる

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冬の味覚といえば「カニ」である。海のエキスを取り込んだ芳醇で濃厚な味わいは多くの人々を魅了し、剥き身や鍋物が美味しいのはもちろん、ビールや日本酒などとの相性も抜群だ。とりわけ2025年はズワイガニの資源量が過去10年間で最多水準となり、例年以上にカニが存在感を示しているのではないか(参照:水産研究・教育機構『令和7(2025)年度ズワイガニ日本海系群A海域の資源評価』18ページ)。
一方、このカニで「失敗した〜!」というイヤな思い出のある人も少なくないだろう。例えば殻の中身がスカスカで少なかった、鮮度が落ちていて味もニオイも酷かった、などなど。友人や家族同士のカニパーティーなら微妙な空気になってしまうだろうし、ましてや大切な恋人(&その親族)との大事な食事であったなら目も当てられない。

そこで今回は失敗リスクをなるべく減らし、誰でも安心してカニを楽しめるコツを、「au PAYマーケット」を提供するauコマース&ライフの営業本部でグルメグループのリーダーを務める北口真帆さん、株式会社伝食 越前かに職人「甲羅組」の代表取締役社長・田辺さんに尋ねてみた。カニを買う際の選び方から保存方法、料理・食べ方のコツ、意外なトリビアまで。冬の「カニ活」が楽しくなるコツを紹介する。

◆お店でのカニ選びは「重さ」「形」「黒いツブツブ」に注目

良いカニ活のスタートは良いカニを選んでこそ。一般流通のカニは主にズワイガニ・タラバガニ・毛ガニの3種で、特に今年は北海道でたくさん水揚げされたオオズワイガニが品質・サイズ・価格帯いずれも良好らしい。一方、花咲ガニやイバラガニといった地域限定のレア物も、身近な店で見かけたら買ってみても損はないだろう。

無論、カニ自体の種類が何であれ、個体差や店側の扱い方によって物の良し悪しは大きく変わる。身入りたっぷりな良質のカニと、スカスカの痩せたカニを見極めるポイントはあるだろうか。

「もっとも直感的で簡単なポイントは『重さ』ですね。 同じサイズで軽いものは身がスカスカ、ずっしり重ければ相応に身が詰まっていることが多いです。また、甲羅の黒い粒(カニビルの卵)は、成熟して身入りがいいカニの目印とされています。肩の部分が盛り上がり、甲羅がしっかり反っているものも良質。逆に、甲羅が平らで軽い個体は身が少ない可能性があります。」

おおむね(1)重さ、(2)黒い粒があるか、(3)肩や甲羅の隆起の3点に注意しよう。ただし、身が痩せたカニや訳ありカニ(折れ・欠けのあるもの)も外見だけの問題で、大抵は味に影響がないのでコスパ重視なら選択肢に入る。また、カニは温度変化に弱いので、実店舗で買って帰る時はクーラーボックスや保冷バッグ・保冷剤を用意しておきたい。

◆「氷を含む重量」に注意

市販のカニは非加熱の生カニと、加熱済のボイルカニの2種類ある。これらの選び方や扱い方についての差異も質問してみた。

「生のカニは鮮度が何より重要。透明感がある身と、黒ずみがない甲羅を選ぶのがポイントです。刺身やしゃぶしゃぶに向き、カニ本来の甘みを最も感じられますが、火入れを誤るとパサつきやすく、扱いが難しいですね。一方で、蒸した(ボイル)カニは下処理済みで失敗しにくく、家庭では最も扱いやすいタイプです。味が安定していて調理が簡単なので、初購入の方にも向いています」

総じて生カニならば鮮度・透明感・黒ずみの有無、ボイルカニなら殻の赤み・身の締まり・カニ味噌の状態を確認するのが鉄則と、越前かに職人「甲羅組」の田辺さんは説明する。特に年末年始のような忙しい時期は、解凍するだけで美味しいというメリットがあるボイルカニが最適だ。