実家の片付けを進めようとしたとき、必ず立ちはだかるのが「捨てないで」という言葉。片付けたくても思うように進まない現実に、ため息をついた経験がある人も多いのではないでしょうか。両親と同居中の実家を片付けているインスタグラマーのぐりーんさん(50代)は、親の気持ちを否定せず、自然に手放してもらう“ある工夫”にたどり着いたそう。詳しく伺いました。

「もったいない」という抵抗は仕方がない

ぐりーんさんは現在54歳。独身で、高齢の両親と一緒に実家で暮らしています。

【写真】55年間しまい込まれていた器

「ひとりっ子なので、いずれ私がすべて片付けなければなりません。歳を取ってからできる気がしなかったので、2年前から実家じまいを見据(す)えた片付けを始めました」(ぐりーんさん、以下同)

でも長年見て見ぬふりをしてきたものの多さに、ぐりーんさんは驚愕。

「3人家族なのに、食品メーカーのキャンペーンでもらったお皿だけで20枚以上ありました。こんなにいらないよね? と声に出そうものなら、母は全力で反論します」

「まだ使うから」「捨てないで」「もったいない」…。

「年代的に、ものを手放すのが難しいことは十分理解できます。それは仕方のないこと。それに、昭和時代につくられたものは質がいいものが多い気がします。なるべくものをもちたくない、片付けたいと思うタイプの私でも、もったいないと感じるときがあるのも事実。キャンペーンの食器はさすがに手放してもいいと思いますが…」

親がものを手放すことを受け入れたひと言

そこでぐりーんさんは、同じ役割を持つものの絞り込みに注力することに。

「たとえばお盆。普段使いしているものがありますが、棚の奥にも箱に入ったままのきれいなお盆がたくさんあります。せっかくなら、くたびれたお盆にありがとうをして、質がよさそうな新品のお盆を使えばいいと考えました。『もう十分がんばったから、お蔵入りしていたこの上等なお盆を普段使いしてみたら?』と提案したら、意外にも抵抗なく受け入れてくれたのです」

こちらは、55年もの間しまい込まれていた漆塗りのお盆。とても質がいいので、今回の片付けで古いものを処分し、このお盆をおろすことにしたそうです。

納得してものを手放してもらうには

気をつけたのは、言葉の使い方。

「『私はこの古いお盆すごく好きだけれど、そろそろ世代交代かな』と、引退をやんわりにおわせます。そうすると、母も、“そうだね、塗装が少しハゲてきているよね”と同意してくれました」

けっして否定せず、ものを褒めて労をねぎらってから新しいお盆をおろそうと提案。

「いつもなら、『しまい込んでいても、どうせ使わないでしょ?』と声をかけるところ。でもグッと我慢して、『このお盆、すごく上等! しまいっぱなしなんてもったいないね』」と伝えると、母は上機嫌に。結局は言い方次第なのかもしれません。しまい込んであるものは本当に質がいい場合が多いので、意外と苦なく褒めることができました」

汚れがあるのに使っているもの、ある程度使って消耗してきているものは、しまってある新しいものと交換。これは、お盆に限らず使える説得方法かもしれません。

ぐりーんさんの体験談、ぜひ参考にしてみてください。