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独自の強みを保ちつつ、よりSUVらしいイメージに

スズキのコンパクトSUV『クロスビー』(XBEE)が2017年のデビュー以来、初のビッグマイナーチェンジを受けた。スズキのSUVというと、どうしてもジムニー(シエラやノマドを含む)に目が行きがちだが、よりクロスオーバー的なポジションのクロスビーも侮れない存在として注目されてきた。

【画像】脱ハスラーの兄貴分!スズキ・クロスビーがビッグマイナーチェンジ 全35枚

ワゴンとSUVを融合させた新ジャンル『クロスオーバーワゴン』という謳い文句でクロスビーが登場した2017年当時に比べて、コンパクトSUV(全長4.3m未満)の市場は約5.4倍(2017年度:約4万4000台→2023年度:約23万9000台)へと拡大した。


スズキのコンパクトSUV『クロスビー』が初のビッグマイナーチェンジ。    平井大介

そんな市場におけるクロスビーは、スタイルや外観は高く評価されているものの、運転を楽にする機能や燃費の良さといった点の評価が低かった。また、カジュアルで可愛いというイメージはあるが、カッコいいというイメージもあまり持たれていなかった。

そこで今回のビッグマイナーチェンジでは、カジュアルで可愛いという独自の強みを保ちつつ、よりSUVらしいイメージに進化させた。

まずスタイリングでは、前後バンパーに車体色を追加し、水平基調のフードでフロントまわりに厚みを持たせ、ルーフエンドには大型リアスポイラーを装着し、SUVらしく力強いエクステリアに変身。ヘッドランプの形状やフロントグリルのデザインも変更し、顔つきはかなり凜々しくなった。

従来型では、どうしても『ハスラーの兄貴分』的なイメージが強かったが、新型では『弟とは違う、ボクはクロスビー!』と主張しているかのようだ。

新パワートレインとの相性は悪くない

インテリアも一新された。ダッシュボードには革を模したパネルとステッチの加工が施され、2段式のセンターコンソールや7インチのカラーメーターディスプレイなど、上質なイメージでまとめられている。

エクステリアの力強さを感じつつ、乗り込んでインテリアの上質さにも満足しながら、まずは走り出すことにしよう。


インテリアも一新され、上質なイメージでまとめられている。    平井大介

パワートレインは、従来型の1L3気筒ターボから、スイフトなどで定評のある1.2L3気筒ノンターボに換装。組み合わされるトランスミッションも6速ATからCVTに変更され、燃費向上を図っている。なお、マイルドハイブリッドは継続して採用される。

正直に言って従来型の走りの印象は薄いのだが、新型の走りっぷりの印象は悪くない。試乗車はトップグレードの『ハイブリッドMZ』、そして駆動方式はFFだったが、1トンを切る軽い車体を軽快に加速させ、中速域ではモーターのアシストも感じられる。マニュアルモードはあるが無段変速のCVT、しかもレブカウンターの細かい表示はないので、100km/クルーズのエンジン回転数は2200rpmくらい。

今回の試乗では高速クルーズや街中での使用が中心でだが、普通に乗りまわしている限りハンドリングは悪くない。SUVゆえ目線も高く視界は良いし、コンパクトなサイズは狭い街中でもキビキビ走れる。

また、SUVらしくFFモデルでもグリップコントロールやヒルディセントコントロールも備わっているが、今回の試乗では試す機会はなかった。それでも、アウトドアレジャー好きには役に立つ装備だし、積雪地帯でなければFFでも問題ないかなと思わせてくれた。

渋滞の不快感を和らげてくれるACC

今回、冬の早朝に出かける機会もあったので、ステアリングヒーターとシートヒーターはありがたい装備だった。シートヒーターがエントリーグレードのMXでも装備されているのは評価しておきたい。

試乗の途中では、慢性的な渋滞が続く東名高速で、さらに1時間以上も事故渋滞にハマることもあった。こんなときもスズキセーフティサポートのアダプティブクルーズコントロール(ACC)は全車速で追従し、停止保持機能(これはMZのみ)も備わっていて、渋滞での不快感を和らげてくれる。


約320km(高速道路6割、市街地4割)の走行で、平均燃費計は19.0km/Lを記録。    平井大介

流れている高速道路では、車線中央付近の走行維持や車線維持支援機能が的確に作動し、またブラインドスポットモニターは車線変更時だけでなく、降車時に後方からの接近車両も教えてくれる。もちろん、運転や安全確認に関して機械に頼ってばかりではいけないが、転ばぬ先の杖として、できれば装備しておきたいものだ。

全長3.8m足らずのコンパクトなボディながら、SUVゆえヘッドスペースは十分で、前後スライド可能なリアシートをアレンジすればけっこうな荷物も積める。まさに、クロスオーバーワゴンの面目躍如といったところ。

今回、約320km(高速道路が6割、市街地が4割くらい)の走行で、平均燃費計は19.0km/Lを記録。ガソリンは4割ほど残っており、航続可能距離は253kmと表示された。高速道路での渋滞がなければ、20km/Lは超えただろう。燃費的には十分に満足できる。

前述のようにクロスビーが登場した頃よりコンパクトSUV市場は拡大し、ライバルも数多く出現した。そんな中で、取り回しが良く、室内もサイズの割りに広く、軽快な走りで燃費も良い。ビッグマイナーチェンジされたクロスビー、コンパクトSUVを検討しているなら選択肢に加えてみては、いかがだろうか。

スズキ・クロスビーのスペック

スズキ・クロスビー・ハイブリッドMZ(FF)
全長×全幅×全高:3760×1670×1705mm
ホイールベース:2435mm
車両重量:970kg
エンジン:直3DOHC+モーター
総排気量:1197cc
最高出力:59kW(80ps)/5700rpm
最大トルク:108Nm(11.0kg-m)/4500rpm
モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1100rpm
モーター最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/100rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:横置きFF
燃料/タンク容量:レギュラー/32L
WLTCモード燃費:22.8km/L
タイヤサイズ:175/60R16
価格:233万5000円


スズキ・クロスビー・ハイブリッドMZ(FF)    平井大介