柏レイソル 敗戦を活かした勝利でJ1逆転優勝へ 鹿島アントラーズを猛追【サッカー】

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小泉佳穂(左)、原田亘(右) 写真:森田直樹/アフロスポーツ

今季J1リーグも残り2節となり、優勝争いは上位2チームに絞られた。

11月8、9日の第36節を終えて3位の京都と4位の神戸が勝ち点を重ねられず、鹿島と柏の上位2チームがそれぞれ白星で抜け出したが、勝ち点1差で鹿島を負う柏の勢いが目立つ。

柏は8日、ホームでの名古屋グランパス戦に1-0で勝利。得点は相手のオウンゴールだったが、推進力のある攻撃が生み出した得点で、1日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ決勝でサンフレッチェ広島に1-3で敗れた経験を活かして相手を攻略した。

ルヴァンカップでは柏は広島のマンマークに動きを抑えられ、セットプレーから3失点を献上していたが、その試合を参考にした名古屋は8日の試合でマンマークを導入し、ロングスローも見せるなど戦い方を工夫。前半を0-0に持ち込んだ。

だが、柏はハーフタイム後に動きを増やして相手のマークを剥がし、開始早々に相手の裏のスペースを狙って攻撃を展開。先制点に結びつけた。

この日、右ウィングバックに入ったDF馬場晴也の裏へのフィードにDF原田亘が抜け出してペナルティエリア右から中へ折り返すと、ファーサイドに走り込んだFW細谷真大を警戒してゴール前に滑り込んだ相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。

柏はその後も攻勢を維持して試合を進め、動きの落ちた相手に反撃を許さず、勝ち点3を積み上げた。

FW垣田裕暉はルヴァンカップ広島戦を意識した名古屋の戦いぶりに、「広島との試合でもセットプレーを除いた部分のプレーは悪かったわけではない。リーグ戦での広島戦に比べて改善していた点も多かった」とコメント。

また、この日のリーグ戦に敗戦が尾を引くことなく対応できたと振り返り、「みんな良いイメージで臨めていたと思う。いい方向に働いた」と話した。

一週間前に喫したセットプレーでの失点についても、垣田は「対策に変化を加えて、時間をかけて取り組んできたので、みんなより自信を持って臨めていた」と言った。

柏のリカルド・ロドリゲス監督は、「ルヴァンカップ決勝で敗れた後、この試合へ難しい1週間だったが、決して悪い内容の試合ではなかった」と振り返り、名古屋戦へ向けて「今季やりつづけてきていることをやり続けようと。選手たち一人ひとりが最善のパフォーマンスを出そうとしてくれた。

強いメンタリティを持っていることを示した1週間だった」と選手の姿勢を称賛した。

この勝利で柏はリーグ戦の連勝を4に伸ばして10戦連続負けなしだ。


レオ・セアラ 写真:アフロ

鹿島、勝利でリーグ戦13試合負けなし

一方、首位の鹿島は9日にホームで残留へ望みをつなぎたい横浜FCと対戦して、FWレオ・セアラとMF知念慶の後半の得点で2-1の勝利を収め、リーグ戦4試合ぶりの白星で13試合連続負けなし。勝ち点を70に伸ばした。

リーグ得点ランクトップに立つレオ・セアラはこれが19得点目となった。

9日には3位につけていた京都がホームで残留のかかった横浜F・マリノスに0-3で敗れて勝ち点62で4位に後退した。

マリノスはFW谷村海那、MF天野純、MF植中朝日の得点とGK朴一圭の好セーブで勝利してJ1残留が決定し、横浜FCの降格が決まった。

神戸も9日、アウェイでG大阪に1-1で引き分けて勝ち点を63までしか伸ばせず、順位は4位から3位に上げたものの、優勝争いからは脱落。リーグ3連覇はならなかった。

J1リーグは残りは2節。代表戦と天皇杯準決勝と決勝の開催で11月30日の再開まで中断となっている。

鹿島も柏も天皇杯はすでに敗退しており、約3週間後への再開へ時間を使うことができる。勢いのある柏と、負けないしぶとさという強さを見せる鹿島がこの中断をどう活かすか。

両チームの残りの2試合は、鹿島は11月30日にアウェイで東京ヴェルディ、12月6日にホームで横浜FMと対戦し、柏は11月30日にアウェイでJ2降格が決まったアルビレックス新潟、12月6日にホームで町田ゼルビアと対戦する。

次節、鹿島が勝って柏が引き分け以下の場合、鹿島の2016年以来通算9度目のリーグ制覇が決まる。

2011年以来2度目の優勝を目指す柏は勝利が不可欠で、鹿島も勝ち点を取りこぼせば順位が入れ替わる可能性がある。

柏のMF小泉佳穂は、「優勝争いや決勝戦では自分たちが持っている力、パフォーマンスを出せるかどうかが大事なポイント」と言った。その視線は再開後の戦いをしっかりと捉えている。

取材・文:木ノ原句望