沢井製薬とCureAppが協業する減酒治療補助アプリ「HAUDY(ハウディ)」。発売5年で処方患者数は約1万人と推計

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治療アプリの先駆けと協業


「コロナ禍でジェネリック医薬品(後発薬)のMR(医薬情報担当者)が医療機関で働く医師と接する機会がほとんどなくなった。しかし、〝治療アプリ〟の登場で説明を求める声が強まっている。医師との接点をもう一度復活させる好機にもなる」─。新サービスにこう期待を込めるのはジェネリック大手・沢井製薬社長の木村元彦氏だ。

 同社は医療スタートアップのCureAppとアルコール依存症患者向けの「減酒治療アプリ」を開発・販売。アルコール依存症に対する国内初の公的医療保険が適用される治療用アプリでもある。沢井製薬にとっても初の治療用アプリの販売となり、主力事業のジェネリック医薬品事業に加えて、疾病の予防・診断へと事業の枠を拡大させることにもなる。

 そもそも治療アプリとは治験によって医学的エビデンスが示され、薬事承認された治療用のアプリケーションのことを指す。そのため、患者一人ひとりに最適化した治療方法を医師が処方可能だ。場所を選ばず、どこでも使える上に、生活習慣の改善にも効果的と見られている。

 現在、病気の患者に医師が行う治療法は大きく分けて2つだ。1つは薬による治療であり、もう1つが医療機器を用いた手術を含む治療だ。そこで両社はソフトウエアという新しいツールを用いて病気を治す〝第3の治療法〟の確立を目指している。木村氏も「新たな治療選択肢として、患者本人のみならず、その家族にとっても喜ばれる存在になりたい」と強調する。

 今回、両社が開発した治療アプリは減酒治療補助アプリ「HAUDY(ハウディ)」。9月1日から発売された同アプリでは、患者が持っているスマホを通じて、日々行う飲酒記録や心身の状態確認のほか、ストレスケアや飲酒量低減のための基礎知識をアプリ内で学習することで患者の飲酒習慣の修正を行う。医師もそれを確認でき、診察の質が高まることにつながる。

 沢井製薬は2024年8月にCureAppと販売ライセンス契約を締結。国内におけるアルコール依存症を適応としたアプリの独占販売権を獲得した。そのCureAppは〝治療アプリの先駆け〟とも言える。

 同社は14年に医師の佐竹晃太氏ともう1人の医師の2人で創業。慶應義塾大学を卒業した後、日本赤十字社医療センターなどで呼吸器内科医として勤務した佐竹氏が米ジョンズ・ホプキンス大学留学中に糖尿病に特化した処方用の治療用アプリに関する論文に出会った。読み終えた佐竹氏は「糖尿病だけでなく、生活習慣を改善するための行動変容にもつながる。可能性の広さを強く感じた」という。