不要なものを買わないためのコツを5つご紹介します。夫婦2人で築35年の賃貸マンションですっきり暮らす、現在41歳の深尾双葉さんは学生の頃からずっと買い物が好き。買っては手放しを繰り返した結果、20年で1万点もの生活雑貨を手放すことに。試行錯誤の結果、自分に合う買い物スタイルを見つけたと言う深尾さんに、買い物の工夫を聞きました。

20年で「生活雑貨1万点」を手放し

本格的に買い物を始めたのは、今から20年ほど前のことです。学生時代に暮らし回りの食器や雑貨に心惹かれ、気がつけば次々と家に迎え入れていました。

【写真】緊急で必要なものだけの「ふせん」管理

けれど、41歳になった今、手元に残っているものはほんのわずか。あれほど情熱を注いで集めていたはずなのに、振り返れば消えていったものの方がずっと多いのです。欲望のまま、感情のままに手に入れたものは手放すのもまた早い。

買っては手放すを繰り返し、気がつけば雑貨や衣類など細々したものを合わせて、1万点以上は手放してきたのではないかと思います。その間に費やしたお金と時間は一体どのくらいのものなのでしょう。

それでも、この20年の試行錯誤があったからこそ、今の自分がいます。今回は、そのなかから見えてきた気づきをほんの少しだけ紹介ます。これからのお買い物の参考となりますとうれしく思います。

1:欲しいものリストはつくらない

欲しいものリストを書くのが好きで、若い頃からたくさんのリストをつくってきました。書くことで可視化されるのはよいのですが、書き進めるうちに物欲が次々と引き寄せられるということが何度もありました。

ほんのわずかな欲しいものをリストアップするはずが、「あ! あれも欲しかった。そういえばこれも欲しかった」と、いつの間にかその目的を見失い、欲しいものを無理に頭のなかで生み出す流れに陥っていました。

当時の私はそんなことにも気がつかず、ジャンルごとに分けては何十個もの商品名を書き出し、買ったものを横線で消していくという達成感も同時に楽しんでいました。その結果、本当に必要なものは手に入れられず、ムダづかいを生む作業になっていたのです。

現在は欲しいものリストはつくらず、緊急で必要なものだけをふせんに書いて手帳に挟む方法に変えました。このやり方にしてからは、物欲と距離を置けています。

どうしても欲しいものリストをつくりたいときはまず、ざっと書き出し、しばらく寝かせる期間を設けるとよいと思います。書いているときは熱量が高くても、数日、1週間と時間を置くうちに、冷静に見直すことができます。

2:当初の目的にないものは買わないようにする

買い物に出かけたとき、当初の目的にないものは買わないようになりました。

とくにスーパーで安くなっている生活雑貨など、小さなついで買いを避けています。予定外の買い物は出合いのうれしさで気分が高まり、ハードルが一気に下がるものです。消費できるものならまだしも、形として残り続けるものは注意が必要です。

20代の頃は、数百円の食器や飾りものを手当たり次第に買い、家じゅうが細々としたものであふれてしまった経験があります。低価格で小さなものほどついで買いしやすく、それも積み重なれば大きな出費となります。

今では、きちんと目的を持って買い物に行くことを意識し、ついで買いを許すのは消費しやすい食品にとどめています。

さらに落とし穴なのが、夜中のネット通販です。リラックスした気分で買い物を始めると気が大きくなり、あれもこれもとつい買い物かごに入れてしまいます。

買い物は目的を持って選んだものだけ、と決めることでムダな出費を減らすことができると思います。

3:自分のなかの基準となる買い物テーマを決める

買い物のテーマとは、自分の価値観を反映した物選びの指針だと思います。これを決めておくことで、どんな誘惑や流行に出合っても「私のテーマに合うか?」と自身のフィルターを通して選べるようになります。

私の場合、ここ最近は「使用頻度が高いもの」「将来ゴミにならないもの」という2つの基準を設けています。過去の買い物失敗パターンや、大切にしている価値観を表現するキーワードをいくつか書き出し、自分だけの買い物テーマをつくるのがおすすめです。

テーマの例としては、長く使えるものしか買わない、手入れが簡単なものだけ、余計な装飾はなくシンプルなもの、環境に負担のないもの…など人によって自由に設定することができると思います。

自分にとっての軸を持つことで、買い物の迷いやブレはぐっと減り、選ぶものが暮らしをより心地よい方向へと導いてくれると思います。

4:SNSで人の買い物を見ないように意識する

以前の私はSNSで見かけたものを次々と購入していました。スクロールするたびに目新しいものが流れてくる。だれかが手にしているだけでなぜかすてきに思えてしまう。

それだけでは飽きたらず、だれも持っていないものを…と探すようになり、いつしかSNSから離れられなくなっていました。手元には生かしきれないものばかりが残り、満たされるどころか、むしろ心はざわついていました。

思いきってSNSから離れてみると、不思議なほど心は静かになりました。目に入る情報が減ると物欲は自然と和らぎ、人と比べることも無くなります。その変化はすぐに買い物習慣にも現れ、衝動的なムダづかいは限りなくゼロに近付きました。

大事にしているのは、人と情報に振り回されることのない、自分だけの基準と価値観。人からどう見られているかを意識せずに選んだものは、ずっと大切なものとして手元に残り続けます。本当に好きなものに囲まれる日々は、それだけで豊かであり、満ちたりています。

5:買った後の処分方法を想像してみる

買い物をするとき、多くの人は手に入れた瞬間の喜びを先に思い描きます。けれど、どんなに大切にしているものでも、必ず手放す瞬間が訪れるものです。

大きな家具や家電は、ものによっては粗大ゴミの申し込みや費用が必要になり、小さな雑貨ですら燃えるゴミか資源ゴミか迷って、押入れに眠らせてしまうことがあります。買うときは気軽なものですが、その後の処分というのは、人に譲るにしてもゴミとして処分するにしても、その何倍もの手間と時間がかかります。

その事実を心に留めておくだけで、そう気軽に買い物はできないはずです。この感覚を持っておくことで「これを手放すときにどんな手間や罪悪感があるだろう」と、自然と先に考えるようになりました。これにより衝動買いはぐっと減っています。