【ルパン三世】メインキャスト5人が語る超豪華座談会開催!
――ついに劇場公開が始まりました。今の率直なお気持ちをお聞かせください。
栗田 待ちに待った劇場公開となります。『次元大介の墓標』『血煙の石川五ェ門』『峰不二子の嘘』と一人ずつ家を建てていって、劇場版の前日譚となる『銭形と2人のルパン』でついに銭形の家が建ち、そしてついにこの『不死身の血族』と小池監督に約束していただいた5軒の家が完成することになりました。続きが出ない時期もあって心配もしたんですが、こうしてファンの皆さんに劇場版としてお届けできたことをとても幸せに感じています。
沢城 私の中ではスピンオフ感があった”小池ルパン”ですが、ついに劇場版までたどり着くことができました。10年以上もかけて完結したシリーズなので「ずいぶん遠いところまで来たなぁ」という想いもあったんですが、栗田さんのお話しを聞いていたら、今まで歩んできた道は『ルパン三世』の最初にゆっくりとみんなで戻っていくための道のりだったのかなと…そうしてたどり着いたルパンの原点を、今回、劇場版として多くの皆さんに見ていただけると思うと嬉しいです。
浪川 僕の中ではこのシリーズの出演は、五ェ門人生においてのターニングポイントとなった出来事だったんです。先代キャストの人たちが築き上げて来てくれたキャラクターの一人である石川五ェ門を今でもずっと緊張しながら演じているんですが、この劇場版でも魅力にあふれた姿を皆さんにお届けできていたのなら嬉しいです。
大塚 僕は新参ですからね。皆さん10年超えのキャリアを持ってらっしゃるのに、僕だけまだ2年か3年しか経ってないわけですので。 ”小池ルパン”の家を一軒ずつ建ててきた職人の中に、初めて新人の見習いが入ってきたような感覚でいます。「おい、カンナもってこい」「へい!」みたいな(笑)
山寺 そんなわけないでしょ(笑)
大塚 皆さんで作ってきた色合いや世界観があるわけじゃないですか。特に僕は”小池ルパン”は直前に配信された『銭形と2人のルパン』が初参戦だったわけで。劇場公開は嬉しいものの、足を引っ張らずに次元として皆さんの前にいられるのか、その不安の方が大きかったです。
山寺 「30年ぶりの2Dアニメ劇場版」と聞いてはいたんですが、間に山崎監督の3DCG作品や、この”小池ルパン”シリーズもOVAで3作、イベント上映されたりもしていたので、「30年ぶりだっけ?」という気分でした。プロモーションも本当に力が入っていて、劇場で上映することへの本気を実感しています(笑)。取材でもこうして全員集まったのは初めてのことだったりしますので。
栗田 そういえばそうだね。
山寺 自分としても銭形は『峰不二子の嘘』には出演しておらず、『血煙の石川五ェ門』から『銭形と2人のルパン』まではすごく間が空いたので 、お蔵入りかと心配していて。そんな銭形回が無事公開された直後に、この嬉しい劇場版ですからね(笑)。立派に4軒の家が建って、さらにその4軒を詰め込んだ大きなルパン御殿が建ったみたいな、そんな感覚があります。
――この劇場版ではどのように演じていこうと思われていましたか?
栗田 ポピュラーなルパンじゃないので、声のテイストっていうか、”小池ルパン”として温度感やキーなども変えて演じてはいます。本当は飛び跳ねて「ふ〜じこちゃ〜ん!」って叫んだりしたいんですけど、それができなかったのはちょっと残念ではありました。
沢城 不二子は今回コメディ担当でしたね。”小池ルパン”の中ではいつも酷い目に遭っているんですけど、今回もちゃんと洋服を着てない時間がありました(笑)
山寺 五ェ門が着るものを持ってきてくれるんだけど、「小っちゃすぎるだろ」というのが面白くて(笑)
沢城 そんなちょっと珍しいコメディエンヌとしての不二子ちゃんの姿も、新鮮に楽しんでいたたけたらと。
浪川 石川五ェ門は、今までだとスパッと現れてスパッといなくなるみたいな感じで、「あ、キタキタ」みたいなキャラクター感があったんです。でも、今回は次元と一緒にちゃんと仲間として行動しているシーンが多くて。 ”小池ルパン”で石川五ェ門を演じてきて初めてに近い経験でした。
沢城 珍しく画面の中にずっといたもんね(笑)
浪川 皆さんと一緒に走って一緒に疲れています(笑)。この劇場版で今までとは違う印象の石川五ェ門を皆さんにも感じてもらえるんじゃないかなって思っています。
――大塚さんはどのような気持ちで、今回次元を演じられていったんでしょうか?
大塚 僕は全てがほぼ初めてだったんで、”小池ルパン”と通常のルパンとの演じ分け以前に、(小林)清志さんが演じていた次元大介を、いかに立体的に自分で作っていくかっていうことに全集中していました。
山寺 「俺は俺で行くぜ」みたいな感じでいくのかなと想像していたら全然違っていて。清志さんにそっくりでビックリしました。
大塚 大好きだったんだよ、清志さんの次元が。
山寺 そうした明夫さんの気持ちはすごく感じられました。セリフのニュアンスとか「清志さん?」って思うときが何度もあって。
浪川 次元らしい語尾の使い方とか、小粋な流し方とか。
栗田 いやホントに「声優さんってすごいな」って思うよね。
山寺 無理なく演じているのも素晴らしいと思います。
大塚 いやいや余裕ないですよ。
山寺 実は必死だったのね。よかった(笑)。俺も最初のうちは納谷(悟朗)さんに寄せようとすることを一番に考えてしまって、「自分の芝居がどっかいっちゃった」みたいなところもあったんです。でも今回の劇場版ではさすがに14年間銭形をやってきた積み重ねがありましたので。台本に書かれていることや、自分はどんな芝居をするべきかに集中することができた感じがしています。
――皆さんがオススメしたい劇場版の見どころについて教えてください。
栗田 『LUPIN the Third〜峰不二子という女』で小池監督が描かれたスタイリッシュでハードボイルドな世界観がそのまま劇場版に引き継がれているので、「ふ〜じこちゃ〜ん」とか「とっつぁ〜ん」とかポピュラーな『ルパン三世』らしさが一つもないのが、この作品の大きなポイントになっていると思います。「こっちはこっちで格好いいな」と思ってもらえる作品だと思いますが、”小池ルパン”は初めてというお客さんが劇場で見てどんな反応をしてくれるのか気になります。
沢城 私のオススメは映像美と言いますか、世界地図にない島が今回の物語の舞台なんですけど、そこに広がる光景がとにかく異様!そして素晴らしく美しくて。独特の色彩の感じがすごく印象的で、今までも劇中でいろんな場所を巡ってきましたが、「こんな背景の中にルパンたちがいるのを見たことがない」という衝撃がありました。ぜひ皆さんにも大きなスクリーンで味わってもらいたいなと思います。
山寺 劇中に漂っている雰囲気がずっと不気味なんですよね。ルパンが行った場所にはイギリス、フランス、イタリアをはじめ、いろいろありますが……僕はこの間ロンドンとパリに行ってきたんですけど。
沢城 いーなー(笑)
浪川 いきなりの展開!(笑)
山寺 いやいや、やっぱりルパンたちの行った場所って訪れないといけないかなと思っていたんですよ。まだ行っていないイタリアにも行きたいなと思ってるんですが、今回の舞台となった島には絶対行きたくないです!
沢城 (笑)
山寺 美しい場所だとみゆきちゃんは表現していたんだけど、でも最後まで見ても絶対に行きたくないとしか思えなくて。
浪川 ですよね。行きたくないです。
大塚 だって24時間で死ぬんだよ。そりゃダメだよ(笑)
浪川 みんなルパンのこと信じて、いつもの「ルパンが死ぬわけねーだろ」ってセリフを言うんですけど、「ホント大丈夫なのかな?」と不安になるぐらいまで窮地に追い詰められますから。
大塚 そんな不気味な島の雰囲気ってムオムを演じた(片岡)愛之助さんの演技が醸し出しているところもあるんだよね。ムオムの得体の知れない感じが、そのまま島の空気感を形作っているようなリアルさがあって。あとサリファもね。この異様な島の風景の中に、無垢に見える少女が存在している違和感たるや。
山寺 ムオムの得体の知れなさとちょっとベクトルが違う、可愛い少女がいるべきでない場所に存在している恐怖感があって。島の正体、ムオムの正体、サリファの正体。それらの謎がなんなのかっていうところも、見どころの一つだと思います。
――ヤエル奥崎や、ホークといった今までのシリーズで因縁のあるキャラクターも登場します。
大塚 清志さんの『次元大介の墓標』を見て、ヤエル奥崎との心の交わり合いについてしっかり叩き込んだ上で演じさせてもらいました。「お前だと思ったぜ」と思わず口に出てしまうような二人の因縁を清志さんの演技を見て追体験しながら、次元大介にとってのヤエル奥崎像というものを明確にしていきました。
山寺 石川五ェ門にも、土師(孝也)さん演じるホークがやってきますからね。
浪川 あれはいやでした。「土師さんとまたやるのか」と思って。前回はギリギリで勝てたんで「次は勝てるかわかんないな」と思っていたんです。「ホークいるし!」という緊張感もありました。
山寺 ”小池ルパン”での自分のお当番回の宿敵とまた相対することになるというのは面白いよね。
大塚 以前の家を新居まで引きずってきているみたいな(笑)
――前日譚である『銭形と2人のルパン』からの繋がりも面白いところですね。
山寺 銭形なんてそうとうなダメージを背負ったまま島にやってきているはずなんですけど、今回もまたど根性で頑張っていますからね。映画のタイトルじゃないですけど、銭形が不死身なんじゃないかと思って(笑)。ルパンとの共闘シーンも演じていてすごく嬉しかったです。
栗田 あの二人のやりとりは『銭形と2人のルパン』があったからこそのものだし。
山寺 お互い通じるものを感じて、共通の敵となる強大な悪に一緒に立ち向かうルパンと銭形の姿っていうのはやっぱりグッときますね。ルパン以外の3人とルパンの安否について掛け合いをするシチュエーションもすごく新鮮で。今までになかったような展開がそこかしこに見えたのも面白かったです。
――最後に栗田さんからファンへのメッセージをお願いします。
栗田 30年前に山田(康雄)さんが突然お亡くなりになってしまって、モノマネしかしてなかった僕が大抜擢されてルパンを演じることになりました。自分にとってはいきなり「大谷(翔平)の代わりにホームラン打ってください」みたいなことを言われたわけで(笑)。当時はやっぱりプレッシャーも大きくて、明夫ちゃんが現場に来ていたことすら気付けなかったぐらいの緊張感の中での収録だったんです。
大塚 そんな感じでした(笑)
栗田 でも今から14年ぐらい前に、山ちゃん、大ちゃん、みゆきちゃんが来たあたりから、新メンバーでの新しいルパンファミリーを意識するようになって、そこから僕も「少しはルパンになったのかな」と思えるようになりました。かつて隣に立っていてくれた超レジェンド声優たちも、今の時代の超レジェンドに入れ替わることになりましたが、そんな皆さんに囲まれてルパンを演じられることは本当にすごいことだと思うんです。野球で言えば長嶋(茂雄)さんと野球をやっていたのが、大谷さんと今試合しているみたいなことですから(笑)。
山寺 いや、そう言われると嬉しいですね(笑)
栗田 そんなキャスト陣と小池監督をはじめとしたスタッフ全員の力によって、今までのポピュラーなスタイルとはひと味もふた味も違う、刺激的で旨味が熟成されたような、好きな人には絶対に刺さる劇場作品に仕上がりました。大スクリーンに映し出される迫力の映像と素晴らしい音響とともに繰り広げられるルパンファミリーの活躍を、ぜひ楽しんでもらえたらと思います。
――ファンからすると、完成した5軒の家が今後どうなっていくのかも気になるところです。建て増しや、新しいルパン御殿の建築も期待したいですね。
栗田 そうですよね。新メンバーも勢揃いしたことだし、ここからもし次の作品があるなら、全員でまた新しい物語に挑んでいけたらいいですよね。今回の劇場版がその第一歩目となればと考えていますので、ぜひこれからも応援よろしくお願いします。
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