AppleがiPhoneの衛星通信機能の強化に向けて衛星通信サービス「Globalstar」に最大2200億円超を投資する予定
AppleがiPhoneに搭載されている衛星通信機能を強化するため、衛星通信サービス「Globalstar」に最大15億ドル(約2280億円)の投資を行うことが、Globalstarがアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した文書で明らかになりました。
SEC Filing - Globalstar, Inc.
https://investors.globalstar.com/node/15606/html
https://www.reuters.com/technology/apple-invest-up-15-bln-globalstar-satellite-coverage-expansion-2024-11-01/
Apple is buying 20 percent of its iPhone satellite services partner - The Verge
https://www.theverge.com/2024/11/1/24285347/apple-globalstar-investment-expansion-emergency-sos-satellite
Apple expands iPhone satellite services deal, commits $1.1bn to expand capacity - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/11/01/apple-expands-iphone-satellite-services-deal/
iPhone 14シリーズ以降には、携帯電話ネットワークの届かない圏外エリアでも使える、人工衛星を経由した緊急SOS機能が搭載されています。日本でも2024年7月30日から、緊急SOS機能のサービスが開始されました。
圏外でもiPhoneから110番や119番に連絡できる「衛星経由の緊急SOS」がついに日本でサービス開始 - GIGAZINE
また、iOS 18では衛星通信機能を使って、圏外エリアでも友人や家族にテキストメッセージを送信できるようになりました。
「iOS 18」が登場、アプリアイコンを自由に配置したり好みのカラーにカスタマイズしたりが可能なより自由度の高いOSに - GIGAZINE
iPhoneで衛星通信サービスを提供するため、AppleはGlobalstarと提携しています。10月29日にGlobalstarがSECへ提出した文書によると、AppleはGlobalstarに対して11億ドル(約1670億円)の現金を支払うと共に、全体の20%に相当する4億ドル(約610億円)の株式を取得するとのことです。
この投資は、Globalstarの衛星通信インフラストラクチャーの改善を目的としたものです。Globalstarは提出文書の中で、Appleとの取引は新しい衛星コンステレーションの配備や地上インフラの拡大、グローバルなモバイル衛星サービスライセンスの増加に向けたものだと説明しています。
GlobalstarはAppleからの投資を受ける代わりに、ネットワーク容量の85%をAppleに割り当てるとのこと。この取引は、11月5日(火)に完了する予定となっています。
なお、AppleはiPhone 14ユーザー向けの衛星通信機能について、当初は「2年間無料で提供する」としていましたが、その後無料期間が2025年まで延長されました。
AppleがiPhone 14ユーザー向けの衛星通信・緊急SOS機能の無料期間を2025年までの1年間延長することを発表 - GIGAZINE
テクノロジー系メディアの9to5Macは、ある時点で衛星通信機能が有料になるとみられるものの、人命にかかわる緊急SOS機能は無料のままで提供を続け、衛星経由のテキストメッセージ送信や位置情報の共有機能などを有料化する可能性があると述べました。