10月27日の衆院選投開票日の石破首相(写真・JMPA)

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 10月27日の衆院選挙で「自民・公明で過半数」の目標を掲げていた石破茂首相(自民党総裁)だったが、結果は自民党191議席、連立を組む公明党の24議席と合わせて215議席にとどまり過半数に届かなかった。

「このままでは喫緊の課題である補正予算の審議も難航、この先もことあるごとに国会が止まってしまうことを危惧した自民党は、政策が近い日本維新の会や国民民主党に大連立を打診しました。しかし『連立を組まない方が主導権を握れる』と考えた両党は拒否しました。

 そのためまずは、派閥の裏金問題で非公認としながら当選した議員を引っ張り込むことにしました。石破首相は30日、萩生田光一元政調会長、平沢勝栄元復興相、世耕弘成前党参院幹事長、西村康稔元経産相の4氏に『自民党・無所属の会』の会派に入ることを要請。全員が了承しました」(政治担当記者)

 この動きに世論は大反発。Xにも《復党への地ならしに当然なるんだろう。「非公認」に何ら意味なし》《この四氏ねぇ、もうちょっと意地とか反骨とか見せて欲しいな》などと批判のポストが大殺到していた。

 これに石破首相以下、執行部も慌てふためいたのか、31日に「萩生田光一氏と平沢勝栄氏を『党所属国会議員の扱いとしないように』と党内に指示した」ことが明らかになった。時事通信が報じている。なぜこのような「指示」を出すに至ったのか。

「時事通信の報道によると、自民党には『党籍を保有する議員が衆参両院の自民会派に所属すると自民党所属国会議員になる』というルールがあるというのです。

 党の役職停止1年の処分を受けている萩生田氏と平沢氏は『非公認』で戦いましたが、自民党の党籍は持ったままでした。そのため『無所属』なのに『自民党所属』というややこしい議員になっていましたが、自民党の会派に入れば『自民党議員』に返り咲くことになります。

 一方、世耕氏は離党勧告を受けて離党、西村氏は1年間の党員資格停止の処分となったので党籍はありません。そのため無所属のままです」(政治担当記者)

 自民党は政治とカネの問題への批判が根強いなかで、萩生田氏と平沢氏を大っぴらに「自民党議員」とすれば、国民の反発を招くと危惧したのだろう。そのため、ルールをねじ曲げてこのような指示を出したとみられる。

 だが、こんな小手先の対応で納得が得られるものでもなさそうだ。やはりXでは、この不可解な石破氏の指示についても納得いかない国民の声が飛び交っている。

《「会派入りしたが党所属国会議員ではない」 “裏“所属国会議員だそうです》

《ルールを守らないのは自民党の得意技》

《世論対策の姑息な手段だ》

《会派に呼び戻しといて、世間が騒ぐから党の議員としては扱わない、ってこと? うわ!人でなし》

「新しい自民党はルールを守る」と言っていたのは、ほかならぬ石破首相本人だったはずだが……。