広島から育成1位で指名を受けた知徳の小船(右)は、松本スカウトから球団の帽子をかぶせてもらう

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 広島から育成ドラフト1位で指名を受けた知徳の小船翼投手(18)が10月31日、静岡・駿東郡長泉町の同校で指名あいさつを受けた。最速152キロを誇る198センチの伸びしろたっぷりの右腕は、田村恵スカウト部長と松本有史スカウトと対面して「まずは支配下、1軍で活躍できるような選手になりたいです」と決意を込めた。広島に対しての印象は「守りが堅い。試合を作れる投手になっていきたい」と言葉を続けた。

 担当した松本スカウトは「198センチと角度があり、高校生で投げる人がなかなかいない150キロ超の直球を評価した。広島にはそんなに大きい選手がいないが(196センチの)アドゥワ誠のように高さを生かしたピッチャーになってもらいたい」話した。

 緊張しっぱなしのお昼休み時間だった。体育とスポーツ医学の授業の合間のあいさつ、お昼ご飯を食べる時間もないままに過ごした。普段は冷静さを貫く大型右腕は、鼻の下に大粒の汗をかいていた。「本当にとてもうれしい気持ち。ただ、とても緊張しました」と初々しさを見せた。松本スカウトから球団の帽子をかぶせてもらった時に、ようやく笑顔を見せ始めた。

 ただ母・しのぶさんによると「外にはっちゃけた感じは出さないが、意外に目立つのが好きな子」と話していた。8強で終わった今夏前に、高校野球特集雑誌を見ていた大型右腕に同校の教員が「今年、一番活躍する選手は」と尋ねたところ、ニヤリとして自分のページを指す愛きょうたっぷりな一面も持つ。広島の顔になり、注目される存在になっていく。

 ◇小船 翼(こぶね・つばさ)2006年6月20日、神奈川県生まれ。18歳。5歳から野球を始め、海老名市立柏ケ谷中時代は海老名リトルシニアでプレーし全国大会も経験。198センチ、110キロ。右投右打。家族は両親、兄。