「ガミースマイル」を放置するリスクを歯科医が解説 むし歯・歯周病の原因にもなる?

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「ガミースマイル」はむし歯や歯周病の原因になることをご存じですか? 今回は、ガミースマイルを放置するリスクについて「中野デンタルクリニック」の松尾先生に解説していただきました。

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監修歯科医師:
松尾 幸一(中野デンタルクリニック)

日本歯科大学卒業。その後、勤務医として臨床経験を積む。1999年、東京都中野区に「中野デンタルクリニック」を開院。むし歯・歯周病をはじめとする一般診療から健康な歯を保つための予防歯科、美しい口元のための審美歯科まで、あらゆる悩みに応える幅広い治療をおこなっている。日本顎咬合学会、日本口腔インプラント学会の各会員。

編集部

ガミースマイルについて教えてください。

松尾先生

「笑ったときに歯ぐきが大きく見えすぎてしまう状態」をガミースマイルと言います。笑った状態で歯ぐきが1~2mm見える程度であれば正常範囲ですが、3mm以上歯ぐきが見えている場合が当てはまります。

編集部

ガミースマイルには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

松尾先生

「審美的なデメリット」と「機能的なデメリット」の2つが考えられます。審美的なデメリットとしては、「笑ったときに歯ぐきが目立って恥ずかしい」などが代表的です。ただし、審美面に関しては「本人や周囲の人がどう感じているのか」が大きなポイントとなります。ご本人や周囲があまり気にしていない、不満を感じていなければ、とくに問題はありません。

編集部

では、「機能的なデメリット」とは、具体的にどのようなデメリットなのでしょうか?

松尾先生

ガミースマイルでは、歯並びや噛み合わせに問題のあるケースが多くみられます。通常、前歯は上下がピッタリと合わさりますが、ガミースマイルでは上の前歯が出っ歯であったり、上下の歯が離れていたりするケースが少なくありません。このような歯並びや噛み合わせは口内が乾燥しやすく、唾液による自浄作用がうまく働かないため、むし歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。さらに、顎関節にも負担がかかりやすいため注意が必要です。

※この記事はMedical DOCにて【自力では治せない「ガミースマイル」は歯科医院で治療が可能? 原因やリスク、治療法を歯科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。