世耕弘成氏

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 自民党派閥裏金事件に関係して離党し、衆院選に無所属で当選した世耕弘成前参院幹事長(61)や、非公認となった西村康稔元経済産業相(62)、萩生田光一元政調会長(61)、平沢勝栄元復興相(79)ら計6人が自民の衆院会派に入る見通しとなった。関係者が30日、明らかにした。他に自民会派に入るのは、自民候補を破った無所属の三反園訓氏(66)、広瀬建氏(50)。

 「会派」とは、議会内で活動をともにしようとする議員のグループのこと。同じ「政党」の議員で構成されるのが普通だが、自民は衆院選前も、衆院で「自民党・無所属の会」として無所属議員と会派を組んでいた。

 自民は衆院選で公明党と合わせた与党でも過半数を割り込み、選挙直後は与党215議席に対し野党・その他は250議席という状況に。多数派工作のため森山裕幹事長らが6人に会派入りを打診していた。議員は会派の一員として国会活動に携わることになる。

 政治評論家の有馬晴海氏は、自民の動きについて「背に腹は代えられないということでしょう」と冷徹に分析する。「特に世耕さんは和歌山2区で自民の公認候補、しかも二階元幹事長の子息を破っている。昔の自民なら、党に刃向かった人を許すようなことは考えられなかった」とし「国民民主党から連立を蹴られ、もう近場のシンパから手を付けざるを得なかったのでは」と説明。「こういうのは古い自民党のやり方と思われて、国民の理解は得にくいのでは。内閣支持率も下がる可能性があると思います」と断じた。石破内閣の支持率は就任1か月で50・7%から32・1%に激減したことが29日に分かったばかりだ。

 石破茂首相は衆院選後の28日の記者会見で、「自民党内の理屈のように思われていることを今後は一切排除する」と明言していた。自民は、非公認議員の追加公認自体は慎重に検討している。