映画「室井慎次 敗れざる者」「―生き続ける者」会見を行った亀山千広氏

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 映画「室井慎次 敗れざる者」「―生き続ける者」(本広克行監督)のプロデューサー・亀山千広氏(BSフジ社長)と、フジテレビ・臼井裕詞映画制作局長が30日、都内で記者会見を行った。

 大ヒットシリーズ「踊る大捜査線」で、柳葉敏郎演じる人気キャラクター・室井慎次を主人公に描く2部作。前編は大ヒット公開中で、後編「―生き続ける者」は11月15日に公開される。

 12年公開「踊る大捜査線 THE FINAL」以来、12年ぶりの新作。シリーズの生みの親のひとりである亀山氏は「(シリーズ脚本担当の)君塚良一さんから『とにかく室井を書きたい。柳葉さんを室井から解放してあげたい』と僕のところに連絡が来た」と本作の製作経緯を明かした。

 臼井氏は、「柳葉さんは俳優人生において一番と言えるくらい室井を大事になさっている。ゆえに他の作品では刑事役や、オールバックの役、強烈な犯人役などは一切お断りしていたと聞いていた」と柳葉の室井役に対する並々ならぬ思いを告白。

 亀井氏もうなずきながら、「それで、柳葉さんに『室井に決着をつけましょう』と直接お話した。最初はお断りされましたけど」と苦笑いしながら、説得の裏側を振り返った。

 当初は映画2部作ではなくBSでのドラマ放送案もあったという。亀山氏は「27年間愛したキャラクターだし、プロットの段階で5時間分くらいあったのでBSのスペシャルドラマで終わらせたくないな」と、映画化での再始動に至ったことを語った。

 本作で室井は警察を辞めて故郷・秋田に帰り、犯罪に巻き込まれた子供を引き取って生活している。亀井氏は「当初は、田舎で里親をやる室井を描いた事件の起こらないプロットでした。だけど、本広監督に話したら『なんでこれを俺がやるんだ』と何度も断られそうになり…」と、室井が死体遺棄事件に巻き込まれる物語に変更を加えていったという。

 一方で、織田裕二演じる刑事・青島俊作を主人公に据えた続編の可能性について、亀山氏は「ここから先はフジテレビ次第です…」とけむに巻いた。臼井氏は「(企画が)ひとつでも動き始めたら、全面的に協力します」と意欲を見せた。

 亀山氏は公開を控える後編について「ちゃんと最後の作品として世の中の多くの人にみて欲しい。最後の室井を見届けて欲しいということが一番伝えたいことです」と力を込めた。