遺族ら原告側が最高裁に上告へ 御嶽山噴火災害訴訟 「後退してしまった」東京高裁の控訴棄却を不服 「これからも引き続き同じ気持ちで向かっていきたい」
戦後最悪の火山災害となった10年前の御嶽山噴火。気象庁が噴火警戒レベルの引き上げを怠ったとして、遺族などが国と県に3億7600万円の損害賠償を求めた裁判で、原告側は、10月21日に東京高裁が出した控訴棄却を不服とし、最高裁に上告することが分かりました。
10年前の御嶽山噴火は、噴火警戒レベルが1の状態で起きました。58人が亡くなり、今も5人の行方が分かっていません。
裁判長
「漫然とレベル1のまま据え置き、噴火警報を発表しなかった(中略)判断は、(中略)著しく合理性に欠け(中略)違法である」
しかし、レベル引き上げ後から立ち入り規制までは時間が掛かるとして、被害との因果関係を否定し、原告側の請求を棄却。
原告側はこの判決を不服とし、去年から続いた東京高裁での控訴審では先週21日、一審で違法と認めていたレベル据え置きの判断について…。
裁判長
「著しく合理性を欠くということはできない。違法であるとも言えない」
原告側の控訴を棄却する判決を言い渡しました。
原告側弁護団 山下潤 弁護士
「一審判決の考え方から後退したことこれを残念だと思いますね」
原告側は、この判決を不服として、最高裁へ上告することを決めました。
シャーロック英子さん
「今まで、いろいろ被災者で火山防災について活動してきたりですね、いろんな火山関係の方たちと防災について進めてきたことが今回の控訴棄却ということでやはり一歩止まってしまったり、これからみんなでやっていこうという熱量がやっぱりちょっとしぼんでしまうような気がいたしました。長くて嫌になったとかそういうことはなくですね、この裁判も火山防災の一端なので、これからも引き続き同じ気持ちで向かっていきたいと思います」
今後、最高裁が上告を受理するか否か判断を待つことになります。